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先生、先生、それは せん〜せい♪ 

「先生」という言葉の魔力にとりつかれた先生
(1)俺の授業だ!俺の言うことを聞け!という強要指導タイプ
(2)私の授業に何か不満でもあるの?という高飛車タイプ
(3)自分の言うことは何でも聞くはずだ!という勘違いタイプ
(4)授業スケジュールがあるのだからちゃんと聞きなさい!というわがままタプ
(5)寝ようがしゃべろうがとにかく授業を進める一人相撲タイプ
(6)言うことを聞かない学生と聞く学生とを区別して対応する好き嫌いタイプ

だそうで、管理者はどれにもあてはまらないと信じているけど…..

というのは「学生はなぜ言う事を聞かない」で検索したら上記のようなページがヒットしたわけだ。

名前を書け、学籍番号を書けといっても100名近い学生の中の数名は従わない。なぜだろ?

その答えを先人は持っているかな?と思ったわけだ。まだ答えは見つかっていない。教えてくれ!

管理者の学生の頃を思い出すと、大学ではこんなことはなかったなぁ。もっともクラスの人数がもっと少なかったけどね。高校ではクラスの人数が50名近くいたけど、こういうことでセンセにおこられたことはなかったと思う。記憶にないだけかもしれない。当時のクラス担任(ご存命だったら)に聞いてみるかな。

 

普通紙マークシート その2

講義の度の小テストを普通紙を使ったマークシートで実施して4回目だ。順調だ。相変わらずトラブルの原因は学生のほうにある。

学籍番号のマークがないというのはなくなったが、今度はマークが薄い。

2名の学生が、なんと、先週の講義の回答用紙を持って来た。出し忘れたというのだ。1名は別にしたが、もう1名は、受け取る時、はっきり伝えてくれないので紛れ込んでしまった。その結果、同じ学生が2枚回答したことになって、どっちが正しいのか探すのに手間取った。

小テストの正解は講義当日にWebページで公開しているわけだが、あとから提出した学生はこの正解を見て書き換えて提出しているわけではない。満点でないからな。ということで、単なる「まぬけ」ということで、点数をよくするための小細工というわけではないようだ。あえて満点にならないようにするという悪知恵があるわけでもない。単純なのだ。そこが、また情けないという事もあるけれど、正直なほうがいい。

出し忘れたとはどういう事だ。信じられない。マークも薄いというのは学生が手を抜いている証拠だ。管理者は甘くみられているのだ。

午後、実習の総括講義を行った。そのとき、マークの薄い奴、2枚も出した奴、氏名の記載が無い奴、の名前を挙げて全員の前にスライドで開示した。「今日のアホ一覧」としてだ。

今後こういうのは0点にすると宣言した。

そのあと、一人が、午前中の講義の小テストの回答用紙を提出しなかったといって、持って来た。なんてこった。

「学生はお客様」だが「商品」として世の中に送り出すので付加価値をなるべく多くつけなければならない。厳しくした方がいいに決まっている。

小学校の先生みたいなことやっているなぁ。

実習総括の講義のあと実習についてアンケートをとったら;
「お子様ランチのように教えてくれているのに、レポートに悪戦苦闘している自分がなさけない」というコメントがあった。わかっている学生もいるようだ。

酵素を失活させる

酵素活性を消失させる一番簡単な方法は加熱だ。しかし、これを50人のクラスでやるのは結構面倒だ。1学年100名なのだが2部授業なので1クラス50名なのだ。大学で2部授業というのはあまり聞いた事がないけど、本学では実習室が狭い、スタッフが少ない、大学院がないのでTA(Teaching Assistant)がいない(実は、前任者が1名雇ってくれていて引き続きやってもらっている)というわけで同じ実習を2回するのだ。さらにもう一つの学科も基本的に同じ実習なので毎週計4クラスやるのだ。

対象の酵素は唾液アミラーゼだ。ヨウ素ーデンプン反応は中学や高校、ひょっとして小学校でもやっているだろう。一応、大学なんだからもうちょっと系統的に、酵素活性を失活させてデンプンと反応させるというのが実習なのだ。

そんで、唾液を採取して、電子レンジで加熱というのをやったら、水がほとんど吹っ飛んじゃってだめだった(最初の年)。このときはピペットマンもなく、あるのはディスポの注射器だけ。だから注射器に1 ml 採って電子レンジでチンしたら唾液がなくなってしまった。悲惨な実習だった。 前任者の作成した実習書を見るとどうやって加熱したのか書いてない。「ビーカーに入れて加熱する」としか書いてない。

2年目はピペットマンを仕入れ(金の工面もちとたいへんだったが)、もうちょっとソフィスティケイトした計画を立てた。失活させるための加熱はホットバスで行った。そこそこ失活したように見えるのだが、十分でない。何故かわからずに終わってしまった。

医系の学生がピペットマンを知らないというのもかわいそうだからな。一部の先進的な教諭がいる高校ではやっているのを知っているが、ほとんどの高校でピペットマンをつかった実験などないだろう。

3年目の今年は、予備実習をしたのだ。そこで気が付いたのが、ホットバスは開口部が大きく、すぐ水が蒸発する割には温度が上がらない。蓋をする必要があると気が付いたのだ。温度が上がらないので、温度が冷えると酵素はもとに戻ってしまうのではないかと思ったわけだ。確認はしていない。唾液アミラーゼの不可逆的失活温度なんてネットにはなかった。80度5分というレポートがあったが、不可逆的なのかよくわからない。蓋としてアルミ箔を考えた。しかし、一晩、なんかいい別の方法は?と思案して、鍋の蓋を思いついた。ホットバスの径は25cm。さて25cmの鍋蓋にすべきか26cmのものにすべきか?25cmを購入してぴったりだったらいいのだが、合いそうで合わないと不安定になる。26cmを選択した。大は小を兼ねる。ネットで見ても鍋蓋のサイズの詳細はどこにも掲載されていない。
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予想通り、蓋の金属の縁が外にでてガラスとホットバスの縁が接する。これが25cmの物だと、ホットバスの縁と鍋蓋の縁の金属が微妙に重なって水平に置けない可能性があるから、26cmが安定していいのだ。

と、ここまでは予想通りで満足だったのだが、水蒸気が鍋蓋の内側で水になり、この水が蓋の縁から垂れてくる。縁が外に張り出しているから水が外に垂れちゃうのだ。くそ、失敗。だからといって25cmの蓋を手に入れる必要はないだろ。机が濡れるだけで済むからな。

[ 追記 ] とは書いたものの、やはり管理者の美意識に合わないので近くのホームセンターで24cmのサイズのを買って合わせてみた。ベストコというメーカの物だ。25cmの蓋は売ってなかった。2cm刻みしかない。24cmだとちょうど縁のステンレス部分が、ホットバスの縁に引っかかり、中に落ちることもない。蓋の縁のステンレスの枠には下に垂れ下がった部分があるが、これがホットバスの中に収まるので、今度は水が外に垂れないはず。26cmの鍋/フライパン蓋が4ヶ余ってしまった。ほかに使い道なんかない。「寸法数字が同じでも鍋フライパンの形状によっては合わない」との注意書きがある。そんなのはわかっている。だから製品には詳細なサイズを書いておけよな。手に入れてみないとわからないじゃん。サイズが2cm刻みという事は、料理ではそのくらいの精度でいいのだろう。

中に見えるのは、マイクロチューブのスタンドで、これも高さが足りない。マイクロチューブをスタンドに立て、マイクロチューブがひたひたに浸る水面の高さだと、ホットバスの温度センサーが空中に出てちゃうので、まずい。センサーが水没するところまで水を張るとスタンドの高さが低くてマイクロチューブがぷかぷか浮いてしまう。

しょうがないから、ステンレスビス/ナットを手に入れ、スタンドに足を作った。それでも水の量によっては浮いてくるから落とし蓋もステンレスの網で作成し、この落とし蓋のつまみはコルク栓で作った。これが写真に見えている。

今時の学生は「落とし蓋」て知っているだろうか?聞いてみよう。料理教室で「落とし蓋を落としなさい」と先生が教えたら、学生は鍋蓋を床に落としたという、ウソかホントか知らない話があるからな。日曜日昼の「噂の東京マガジン」というTV番組の「やってTry」というコーナーに出てくる同じ年頃の女子を見ると、この料理教室の話はホントに思えるからな。

[ 追記 ] 学生に落とし蓋て知っている?と聞いたら、「知ってる、魚の煮付けなんかのときやる」ということだった。「噂の東京マガジン」の「やってTry 」に出てくる女子よりましなようだ。ちと安心というか、もっとひどいのがTVにでてくるのだなぁと感心した。

酵素を失活させる方法のもう一つはpHを変えることだ。塩酸と水酸化ナトリウムを使ってみた。水酸化ナトリウムはだめだ。実験してみてから気が付いたのだが、デンプンのヘリカルな構造が壊れてヨウ素が中に入らず発色しない。知らなかった。やってみるもんですな。

 

 

小テスト…おなかが痛いから…..

おなじみの某非常勤講師の先生は、講義の始めに、前回の講義内容の小テストを課している。ノート教科書を見てはいけない。これをマークシートでやってるわけだ。

これは、前回の講義内容を復習する必要があるということで、一つの良い方法かもしれない。

もし、講義を欠席した場合は0点になる。しかし、理由があって連絡の上、欠席した場合、小テストの平均点を出す時、分母としないと宣言しているらしい。つまり無断欠席は0点で平均点に加算されるが、なんらかのどうしてもしょうがない理由のため欠席の場合は0点としないわけだ。

ということで、学生は、診断書など付けず、事務に電話で「おなかが痛いから欠席します」という連絡をするのだ。仮病だ。昼休みには学生食堂にいて昼食を友人と一緒に摂っているし、レポートを書くためにPCの並んでいる部屋にいる友人と談笑しているからだ。はればれなのだ。講義、実習に出たくはないが、友人といっしょに居たい訳だ。ずる休みなら大学に来なければ良いのに。

なんてこった。お人好し講師は、まぬけな不良学生にこけにされているわけだ。

こんなことしないで、公欠(忌引き等大学が認めている場合)以外は0点にすべきだ。診断書があっても0点だ。インフルエンザは公欠になるらしいが。

生理学はもううんざりだ

4月から1年生に生理学を教えて11回目の講義が終了した。

生理学は理屈があるから、もういやだという学生がいるにちがいない。

これまで、小テストの際に、アンケートで、声が十分聞こえた/配布資料は十分だった/スライドは良かった/情報量が多すぎた などのアンケートを はい/どちらとも/いいえ の3択で取っていたのだが、集計が面倒なので、ざっと眺めているだけだった。

普通紙マークシートリーダーを導入したので、今度は簡単に集計できる。

「生理学にはもううんざりだ」という質問に はい8%、どっちとも52%、いいえ35% であった。本当かな?ウソでしょ。学生のお世辞だろ。

普通紙マークシート・リーダー

100人も履修学生がいると、試験の採点は大変だ。期末試験はマークシートで100問出す。これは既存のマークシート・リーダーで実施する。

最初にあっちの大学に行った時、マークシート・リーダーとそのPCが古くて大丈夫かよ?と思ったのだ。しかし、なんとか出来た。でももう古いからなんとかしてくれと言ったら、ようやく更新された。先週のことである。

一方、毎回の講義でも4肢選択の問題10問の小テストを実施している。こいつの採点自体は問題数が少ないし、大した負担ではない。しかし、学籍番号順に解答用紙を並べ替えるのがいやになった。インテリジェントな仕事じゃない。期末試験のような専用マークシートを使ってやってもいいのだが、あまりにもコストパフォーマンスがよくない。10問しかないからな。

某非常勤講師は、本来の大学で、普通紙でマークシートで採点していると聞いたので、ソフトは何?、手順は楽になっている?と聞いたのだ。

なんと20万円もするソフトを使っている。もっとも本格的なマークシート・リーダーのセットは100万円位のがあたりまえだから、それに比べてみれば安い。

さらにスキャナは?と聞いたら、25枚程度しか一気にスキャンできないのを使っている。で、マークミスが多いので、スキャンする際、解答用紙を学籍番号順に並べ替えるんだと。どて!! なにやってんだろ。

並べ替えるのがいやだから、マークシートなのに。なんてこった。意味ないじゃん。並べ変えたら、問題数が少ないのだから採点は簡単だし、学生数が100名以下なんだから表に入力する手間もそんなに負担じゃない。

というわけで、50枚位一気にスキャンできるスキャナとマークの位置を数字化してcsvファイルにしてくれるだけでいいというソフトを探してみた。
Remark Office OMR  197,400円
Area61 マークリーダ  11,500円
マークシート読取君2  19,840円
らくらくマークシート  4,500円
普通紙マークシート採点プログラム マーくん  9,500円
がひっかかったのだが、一番安い奴はなんかうまくいかない。
Area61 マークリーダ のお試し板をインストールして、うまくいくようなのでこれに決めた。マークが薄いとか、マークしていないとか、修正がどうしても必要だが、それも、オリジナルのマークシートを見ないでも簡単にできる。

スキャナはSnapScan iX500 だ。公称で50枚一気にスキャンできる。

最初のマークシート用紙の作成、位置合わせがちと面倒だ。マークシートはオリジナルのパターンを Word で作ることになっている。エクセルだっていいんだろ。3つのコーナーにマークが必要なだけのようだから。既存のマークシートでは無駄な部分ができちゃう。自由に決めることができないと困る。だからこれでいい。サンプルがあるからそれを改変すればいい。コツは、マークすべき番号を水平に均一間隔で並べることだけだ。一度作成すれば、当然ながら同じパターンを使うことになるから1年間使える。

もちろん、安いから、結果を自動的に解析することができるわけではない。そいういうソフトは付属していない。一部あるようだがそんなのは使わない。csvで保存できるからあとはエクセルで計算式をセルに埋め込んだファイルを作成しておけばいい。学籍番号から氏名を呼び出す、学生ひとりずつの得点を計算する、問題の正解率を算出する、アンケートの結果を%で算出する くらいだからな。あらかじめ用意したセルへコピペするだけで済む。マクロとかVisualBasicなんか使わないでも可能だ。

明日の講義で使ってみることにした。(1回目

95名の出席者に対する小テストをこの普通紙マークシートで実施してみた。

スキャン自体は50枚で1分ちょっと。95枚あるので一気にできず、4分位で終わった。そこからが大変。

氏名学籍番号は間違えてもこちらが訂正するしかない。解答は訂正することはしない。しかし、マークをうまく読み取れない可能性があるので選択肢の番号も書かせたわけだ。センター試験だったらこんなことやってないので0点になる。甘いもんだ。

ところが、なんと、学籍番号にマークしていない、マークした番号が間違っている、氏名が書いていない。番号を書いたからマークしなくてもいいだろ、とかで12枚はスキャンしたがマークされてないのがあって手作業で修正しないといけなかった。もし手作業がなかったら、ものの10分で成績が付けられたのに。何枚かの解答用紙をランダムに選び、手で採点したのと、リーダーで読み込ませた結果をくらべたが、すべて一致していた。したがって、この方式は満足できる結果である。問題は学生の方にある。

機械に人を合わせるのではなく、機械を人に合わせろ は正論だが、マークしていない、誤っている を機械が判断して自動的に訂正するなんてできない。

システムの不備ではなく、学生の不備だ。なんてこった。効率がよくなったのかまだわからん。

一回だけではだめで、学生を教育しないといけない。しかし、なんで解答用紙に必要最低限の情報が入力できないんだろ?一人、二人だったらいいのだが10人以上もいるとは。

2回目の実施状況

3名が学籍番号のマークを塗りつぶしていない。1名が氏名を書いていない。

これらを訂正しつつ、96名の採点を行った。すべてを(これまでの成績をまとめている表にコピーするまで)完了するのに30分かかった。学籍番号順に解答用紙を並べ変えるストレスから解放された。

3回目の実施状況

94名。2名が学籍番号のマークを塗りつぶしていない。20分ですべてが終了。スキャナは50枚が最大だが、50枚程度のうち1/3スキャンしたら、残りの約50枚の1/3を追加するということを繰り返すと、100枚すべてが一発でスキャンできる。このようにした方が画像のファイル名のシリアル番号が統一されて、後々管理し易い。管理しないけど。全部をスキャンするに要する時間は3分であった。

やっぱり一番時間がかかるのは、学生のマークミスの訂正だ。解答のマークミスは訂正しない。当然だな。学籍番号のマークミスは訂正しないとリストにならないのでしょうがない。

おかしな方法&反応が遅い

講義や実習の再履修者の成績が問題になっている。

そこで再履修者のここまでの出欠状況とこれまでの小テストの成績、レポートの成績を教えてちょうだいと依頼した。

詳細をここに書くわけにいかないが;

講義については、講義毎の小テストと期末テストの結果をウエイトをつけて加算するらしい。しかし加算結果は100点満点にならない。

実習については、レポートの平均点に出席点を加味するようだ。これも100点満点になっていない。

再履修者のこれまでの成績を教えてくれたが、満点がわからないし、全体の平均点がわからないから、成績が悪いのかどうかがわからない。

再度、全体のこれまでの成績と出席点の定義を教えろとメールしたが、返事がない。

どうも、理解し難い採点方法というのは、昨年のレポート評価法の提案と同じだな。

とほほ。

既に習っただろう/新しい知見だろう

講義では、終了時にその講義でのポイントとなる点を問う4肢選択問題を出している。

答えは持参している教科書に記述がある、配布したプリントに書いてある事が多い。これらを見て答えていいのだ。講義で説明するのだから、満点になるのが当たり前、ま、一つくらい勘違いがあるかなという得点を期待しているのだ。しかし満点は、100人クラスで10人に満たない事が多い。

今日の講義は呼吸でヘモグロビンの話だ。

何故、酸素が結合するヘモグロビンというタンパクが血液中(赤血球中)に多いのか?
ということを説明するため、学生が持参している薄っぺらい生理学入門書や配布したプリントに書いていないことを、まずスライドで説明した。

地球の歴史の中で約22億年前に、突如として二酸化炭素でおおわれていた大気は酸素に変わってしまったのだ。その原因は光合成を行う生物が出現したからなのだ。
次にこの酸素を使って生存に必要なエネルギーを得る生物が出現して現在に至っているのだ。酸素を使うほうが効率がいいからな。
しかし、酸素を含めた気体(ガス)は温度が高い程水に溶けない。どんな生物も細胞の周囲は水で、この水との間で酸素や二酸化炭素のやり取りを行う。一方、体温が高い程生命活動は有利だ。酸素が必要なのに体温が高いと水に溶けている酸素が少ない。この矛盾を解決するタンパク質を動物は開発したのだ。これをヘモグロビンという。

というイントロダクションから講義は始まった。温度に対する酸素の水への溶解量のグラフを示したわけだ。イントロダクションなのでこのグラフは配布資料にも、生理学の教科書にも書いてない。中学高校の理科で聞いたことがあるに違いないから思い出してもらうためだ。
ヘモグロビンの存在意義を教えたつもりだ。
ちょっとは興味が持てるように地球の歴史から進化の話を加えて話したのに。

イカ、タコは似ているが異なったタンパク、ヘモシャニンでこいつは酸素と結合すると青くなるのだ!!イカの鰓が青い写真も見せた。こつらの血は青い!!とも教えた。

そんでもって、講義の終了時に試験した。酸素が水に溶ける量は、温度が低いほうが大?という問に正解は43%。温度が高い程、酸素は水に溶けると答えた者は42%。なんてこった。半分以上が聞いたかもしれないが頭の中に定着していないのだ。朝9時からの講義の冒頭の話なので寝ているやつなんかいない。普通、砂糖のような個体は温度を上げると良く解け、温度が下がると結晶となって析出するというのを小中高校でやっているはずだ。これに引きずられているのだ。気体は違うのだ。

学生にとって面白い話ではないのだろうか?印象に残る話ではないのだろうか?砂糖とは違うと強調する必要があったのか。

大気の酸素分圧は160 mmHg。だが動脈血中の酸素分圧は100 mmHg 程度。しかし、肺胞では水蒸気圧があるのでどんなに換気を良くしても肺胞内は湿度100%つまり水蒸気圧47 mmHg でこれは変わらない。したがって肺胞内の酸素分圧は100 mmHgから換気がよくなってもさらに大して大きくならない。
だから過呼吸しても動脈血の酸素分圧は上昇せず二酸化炭素分圧が減るだけだ。酸素は貯蓄できないのだ。激しい運動の前に深呼吸を繰り返しても酸素を貯めることはできないのだ。すでに、ほとんどのヘモグロビンは酸素と結合しているからだ、と説明した。もちろん肺胞でのガス交換の絵を配布しスライドで説明しつつだ。

大気の酸素分圧は160 mmHg。だが動脈血中の酸素分圧は100 mmHg 程度。だから過呼吸で動脈血酸素分圧をさらに上げることができるか?という問に対して、これも正解率は43%。
この問は学生にとって新規な知識だ。何故かも説明したわけだ。酸素を貯めることはできないというのは、これまでの知識からの結論とは異なるはず。それでも理解してくれていない。この辺の説明は講義の中頃だから、学生の頭はもう満タンでフォローできてない。にもかかわらず半分近くが正解だったというのはすばらしいことなのかもしれない。

多分、どこの医学部でもコメディカルの学科でもこのような解説をしている授業はないはず。動脈血と静脈血の酸素分圧はいくつ、二酸化炭素分圧はいくつ と伝えているだけのはず。
ヘモグロビンの酸素解離曲線の意味とこの曲線が状況によって右にシフトするとかを説明しているだけなはず。

ううう。どうしたもんだろ?結構、興味を引くようなストーリーを作っているんだけどな。こういうメカニズムになっている だけじゃなく、このようなメカニズムがどうして有効なのか、こういうメカニズムがあるからこいういうまずいことも起こると説明しているのだが…

レポートの学生の論理

血圧測定の実習を実施した。レポートの考察が相変わらずだ。

「クラスの男女の血圧を比較した結果、男子の血圧のほうが高かった。これは成人男性の血圧は成人女性のそれより8〜10 mmHg 高い(文献1)からだ。」

こういう考察を平気で書く学生が多い。教えたのだが、理解できていない。これじゃ「圧が高いのは圧が高いからだ」と言っていることになる。こういう非論理的文章を平気で書くのをどうやって直したらいいのだろうか?

考察の文章は、「なぜならば」、「したがって」、「しかし」、「一方]、「もし何々とすれば」等で文章を構成する、これらの接続詞を使うとそれなりの文章になると教えたのだが……

手首に装着する電子血圧計の位置を、頭の高さと心臓の高さと腰の高さ、3つの位置で使ったらどうなる?という課題で、結果の説明は、「頭の位置にすると血液の流れが悪く、腰の位置では血液の流れがいいから、頭では測定値が低く、腰では高くなる」という説明も多い。

どうやら、圧=流速 X 抵抗 のオームの法則を十分理解していない。どれが原因でとれが結果なのか考えていないようだ。3つのパラメータがこのような関係にある、だからどれか1つが変化すると残りのどれかが変化しないと世の中成り立たないという認識/理解がないのだ。SF映画・漫画はこのような物理の法則を無視しているから意外な事が生じて面白いのだ。

こういう投稿をするからなかなかレポートの採点が進まないのだ。画一的なレポートなので、すぐ採点に飽きちゃうのだ。

マニキュア

MBLをTVでみていて気がついた。キャッチャーがマニキュアしている。白とか黄色だ。

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サインが見やすくなるためだな。日本のキャッチャーはやってないようだが、そのうち真似するだろう。

ちなみに、このときは 1)人差し指 1本 2)第2~4指の3本 3)人差し指 1本 4)2~5指の4本(上の写真) 5)小指 1本

の5段階で、インコース低めのストレートだった。キャッチャーの構えたところにボールが行ったのでサイン通りだったのだろう。

リズムを持って5段階の指示をする。それを即座に理解しないといけない。キャッチャーが捕球できない可能性があるので、球種が一番大事で、サインに含まれる情報には球種が必ずあるはずである。他にはなんだろ。何番目のサインが球種のサインだとか順番を示すサインがあるらしい。単純に考えると人差し指1本がストレートだな。この場合、1番目か3番目が該当する。一番目が球種の種類というのは、あまりにも単純だから、人差し指と小指を区別するとすると、3番目が球種かな。上下、左右もあるだろうけど、基本的には下が多いので、上にはずして空振りを誘うときだけサインがあるのかもしれない。左右はキャッチャーミットの構える位置だけでサインには含まれないのかもしれない。3本指3回だしたらビンボールだとか。でもこれはイニングが始まる前に決めておくんだろうな。復讐のときだからな。

同じサインでも、状況が変わったら異なる意味にするのは難しそうだ。たとえば、1ストライクのときと2ストライクのときでサインの意味が違うと覚えるのも大変だ。奇数と偶数のイニングでは違うというのは覚えられるだろう。

最近はないが、ピッチャーが表をグラブに張り付けていて、キャッチャーのサインの意味を解読するというのがあった。なんでキャッチャーは同じ表を持たなくていいんだろ?

野球も体力だけではなく、頭がよくないとやっていけない商売のようだ。

 

 

 

ウイルス

大学の学生が共用で使うデスクトップPCがウイルスに感染した。USBメモリーで広まるやつだ。学生の誰かがどっかのサイトにアクセスした/変なメールを受信して添付を開いたというところが原因で、自宅のPCが感染し、USBメモリー経由で大学のPCが感染し広まったのだろう。

何台感染したのかわからないが、ともかく複数ある。

このウイルスに感染すると、開いたWordファイルが、ショートカットになっちゃって、オリジナルが消えちゃう。

パソコンがおかしいということで別のパソコンで作業するが、感染したUSBメモリーで作業するので複数台が感染する。感染したPCを他の学生が使うということでどんどん拡散したようだ。

学生は、毎週の生理学のレポートを書くのだが、保存するとなくなっちゃう訳だ。かわいそうに。

Win32/Dorkbot.Iというウイルスである。

グラフの選択

実験の計測値をグラフに示すのは当たり前だが、「どのようなグラフを選択したらいいか?折れ線グラフと棒グラフどっちがいいのかわからない」と聞かれた。

そういえば、グラフの選択方法なんて習った覚えがないな。でも、選択できる。系統的に習ったことがあるのかな?

小学校学習指導要領解説  算数  統計関係部分抜粋 というのがあった。

表と棒グラフは小学校3年
折れ線グラフは小学校4年
帯グラフや円グラフ(%にする)のは小学校5年
平均や度数分布は小学校6年

散布図や相関になると
高等学校学習指導要領解説  数学  統計関係部分抜粋 数学 Ⅰ らしい。

そうか、小学校で習ったのか。だから何時習ったなどという記憶がないんだ。

しかし、このような質問をしてくる学生がいるとは、トホホですな。

Googleの検索で…

学生実習のレポートを評価しているわけだが、レポートに書かれた誤りを学生に教える必要がある。

レポートに赤字で記入し返却するわけだが、学生のレポートは画一的で、だれかのレポートをコピーすることが多い。そこで、そのような丸ごとコピーのレポートは、はっきりと学生の名前を挙げて、クラスの前で指摘する。100通のレポートの共通点を抽出するのは難しい。そんなに管理者の頭には記憶容量がないからな。検出ソフトがあるからできるのだ。

それでも、多くの学生は丸ごとコピーでなないにしろ、誰かが書いた/提案した文書、あるいは誰かが見つけた教科書の記述を使ってレポートする。したがって大同小異のレポートになる。共通の誤りがいっぱいあるわけだ。次の実習時に共通の誤りについて解説するわけだが、そんなことをやっていたら、実習ができなくなる。しかし指摘しないわけにはいかない。

そこで、プリントで配布するか、レポートの評価ポイントはここだとWebページで公開するわけだ。

昨年度は、カエルの座骨神経の電気刺激実験の解説をアップした。それを、こっちの大学の学生がダウンロードして問題になった。あっちの学生は理解できないかもしれないが、こっちの学生は理解できそうな文書だった。

昨年度のページはすべてサーバから削除してある。しかし、恐ろしやGoogleはキャッシュに溜め込んであるので、キャッシュの部分が検索でヒットする。そのページは既にないので、クリックするとNot Found になるから問題ないはずと思っていたわけだ。しかし、googleのページでは検索キーワードを含む部分が表示される。一部だが、要になる単語が含まれている場合がでてくる。つまりうまい具合にキーワードが合うと、そのキーワードのある文章が一部ではあるが表示されてしまい、その検索キーワードの近くに要となる用語があると大きななヒントになる。

何回か、同じキーワードで検索すると、Googleの方ではNot Found となるページは、キャッシュにあるにしろ、表示しなくなるようだ。別のキーワードで検索すると相変わらずキャッシュされた文章の一部は表示される。つまりGoogle には依然として、ページ全部がキャッシュに残っているわけだ。

まいったな。昨年度はパスワードを設けていないページだったからな。今年度はパスワードが必要になるようにしたからGoogleに見つからないと思うのだが。

半透膜

浸透圧の実習で半透膜について学生と話していたら、学生は「半透膜は金魚すくいの網と同じでしょ。水は通すが金魚は通さない。」だって。うーん、正しいけど、管理者のイメージとしては、大きな分子を通さないが低分子を通すということで、大きな分子といっても目にみえるわけではなく、タンパク分子とか蔗糖分子のようなもの、低分子とは水とかイオンを描いていたのだが…..

大きな分子には金魚を例えないといけないのか。なんか小学生並みだな。せめて中学で習った事は頭の中に入れておいてほしい。

「金魚は混んでいると苦しいので、半透膜で仕切られた金魚のいないほうから水だけが移動して、金魚のいるほうの水量(空間)が大きくなり、金魚が楽になるのだ」と説明するのかなぁ。まちがいだけど、イメージはわかり易いことになるな。

 

血液循環はいつどのように習うのだろうか

文科省の中学理科の指導要領 http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/youryou/chu/ri.htm によると

「血液の循環についての観察,実験を行い,動物の体が必要な物質を取り入れ運搬している仕組みを観察,実験の結果と関連付けてとらえること。また,不要となった物質を排出する仕組みがあることについて理解すること。」

とある。

FdData中間期末」といページでは,実際に全国の中学校で出題された試験問題をワープロデータ(ワード・一太郎文書)にした過去問集を販売しているところで、サンプルであるhttp://www.fdtext.com/dat/fdata_r2s5_hh.pdf を見ると循環系の大まかな部分は学習済みなはずだ。

有名市立中学の入試問題にも心臓が4つの部屋に分かれていることを題材にしている。ということは小学校の進学塾では教えているのだ。

にもかかわらずだ。

で酸素化された血液(動脈血)は肺静脈から左心房へ流れる。左心房から2枚の弁膜からなる二尖弁(僧帽弁)を通り左心室に血液は流れ込む。左心室が収縮すると血液は大動脈弁を通り大動脈へ流れる。その後分岐した動脈を流れ、末梢組織の毛細血管で血漿と間質液(組織液)との間で物質交換が行われる。物質交換が行われるのは毛細血管のところだけである。
物質交換を行ったり、酸素を放出し二酸化炭素を吸収した血液(静脈血)は大静脈に集まり、右心房に流れる。右心房から三尖弁を通り右心室に血液は流れ込む。右心室が収縮すると右心室の血液は肺動脈弁を通り肺動脈から肺へ流れる。」

という文章から循環系の絵を描いてみろといった。赤字は循環系のパーツだからこのパーツがどこにあるかも記入しなさい。という課題をだしたらほとんど全員が絵を描くことができなかった。弁の名前は中学では習わないが他の赤字の単語は中学で習っているのだ。心臓が4室から成ることすら知らないようだ。

門脈も中学で教えているようだ。なんてこった。これまで何をやっていたんだろうか。こういうことから講義を始めないといけないというのが現実なのだ。情報量が多いと学生に文句を言われても、その情報の大部分は中学や高校ですでに学んでいることなのに。高校の生物の繰り返しで終わってしまう。ここは大学なんだろうか。

修理

講義にはパワーポイントを使っている。一昔はPersuationというソフトがあって、こっちを使ったこともあったが、マイクロソフトに駆逐されちゃった。板書はほとんどやらない。生理学は絵が多いからだ。いい加減な絵を板書しながら説明するより、スライドで表示し、同じ絵を配布資料としたほうがいいと思っているわけだ。板書の方が学生の理解も多分良いのだろうが、なんせ教える必要のある情報量が生理学は多いからな。絵をいちいち黒板に書いていたら時間が足りない。心臓が4室からなるということも知らない学生さんなので。

昨年のいつからか、いつも使う教室のパソコン(ノート)とプロジェクタを接続するRGBケーブルの接続口が死んで、別のケーブルが用意されていることになった。接続口はプロジェクタとか電動スクリーン、オーディオ機器を集中的にコントロールする教卓にある。「このコネクタは使えません」という張り紙がある。

そのうち修理されるのだろうと思っていたが、一向に修理されない。講義にはその教卓に別途用意されたRGBケーブルを直接パソコン(ノート)に接続すればいいので問題ない。スライドを進める・戻すはレーザポインタがリモコンにもなっているので、この教卓から離れて講義を進めても問題ない。パソコンはRGBケーブルが届く場所におき、説明は離れたところからレーザーポインタ・リモコンを使って行うというスタイルなのだ。

リモコンの受信機はUSBポートに差し込む。差しこんだままでも構わないような受信機ならいいのだが、管理者の持っているのは小さいのだがノートに差し込んだままにするような形状でない。講義が終わると、受信機を抜いてズボンのポケットに入れるわけだ。

容易に想像されると思うが、ポケットに入れたままだと、忘れちゃって洗濯されちゃうことがある。受信機は密閉されていて洗濯されても、ドライでなく水洗だったら大丈夫だ。

先日、さって講義だなと準備していたら受信機がないのに気がついた。きっと、ズボンのポケットに入ったままで、そのズボンは洗濯されて自宅のタンスの中だ。リモコンが使えない。RGBケーブルが長ければノートを手元に置けるのでいいのだが、短い。しかも用意されているのは直接ノートに接続するタイプ(オス)なのだ。延長ケーブルはたいてい両端がオスだ。だから延長ケーブルがあっても、オス―メス変換アダプタがないと使えない。本来の教卓のコネクタはメスなので延長ケーブルが使える。

講義はなんとかやったのだが、もう本来のコネクタが使えなくなって久しいので、ラウンジの秘書に「あの教室の教卓のコネクタはいつになったら修理されるの?」と聞いた。「修理の予定はない」だと。    うううう。なんてこった。

しょうがない。ケーブルから先は生きているのでコネクタの部分を修理すればいいはずと思い、管理者が修理することにした。教卓の中を空け、状況を調べて、必要な部品を考えた。

ねじとかスペーサーが必要なので、近くの(といっても車が必要だ)ホームセンターへ行って購入した。60円。(もっとも、こういう部品は多くそろえておくと後々役に立つので、何種類かの長さのねじを含めて1000円の支出だったが)。

部品の購入の時間も含めて2時間。修理完了。

しかし、「修理の予定はない」とはどういうことだ。多分業者にやらせると2,3万円とられるんだろうな。機能的には問題がない状況なので、修理しないと決めたんだろうな。なんか、あっちの大学ではたとえ2,3万円でも会計(庶務)に権限がなく、いちいちお伺いをたてないといけないようだ。修理なんだからお伺いを立てなくてもいいと思うのだが。事務は機能的に問題ないのなら修理しないと判断したんだろうな。問題があるんだよ!!

ラウンジの秘書は修理されたので大喜びだったけど…..他の教員はわからんだろうな。こんなこと、わからなくていいけどね。

こういう修理は、こっちの大学にいたころもやってたなーと思う今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?(きっこ風)。

お子様ランチ

学生食堂にいったら、本日のメニューにお子様ランチがあった。結構、人気で良くさばけている。当然プリンがついて、旗が立っている。

大学生として、馬鹿にされたとは思わないようだ。実習中の騒がしさは幼稚園並みだからな。当然か。

写真を撮りに行ったら、売り切れでもうなかった。

出欠データの採取

こっちの大学でもあっちの大学でも、学生証をかざすとlogが取れる機器(出欠管理システム)を導入した。こっちでは昨年度から、あっちでは今年度から。

しかし、導入の動機はかなり違う。こっちの大学では、そもそも学生の出欠などいままでとっていなかった。時々、あまりにも出席する学生が少なくて怒り狂った教員がいた。100名中、出席したのが10名なんて講義があったらしい。

東大や京大で非常勤講師をやったときは100名近い学生がいるはずなのに50名もいない。途中からのこのこ教室に入ってくる。こっちの大学ではもっと多く70%くらいだったろうか。東大や京大には遊ぶ場所がいっぱいあるが、こっちの大学は陸の孤島の感があって学生が遊びに行くところがないからな。今は電車も通ったし、ちと違うけど。

こっちの大学でチュートリアル制度を導入したら、講義数が半減し、学生もそれではあんまりにも少ないと思ったのか出席率が100%近くになった。チュートリアルでは系統的な授業が少なく、学生は自分で系統的な勉強ができないので、あせったのだろう。出席率を上げるには良い手段だ。

なぜ、こっちの大学でカードリーダー式の出欠管理システムを導入したのかわからない。ほとんどがオムニバス形式の統合カリキュラムで、一応、紙ベースの出欠を採取するのだが、だれも集計しない。本来はコース・コーディネータが集計すべきなんだろうが、教員はだれもやらない。管理者も生理学のコース・コーディネータであった期間が結構長かったが調べる気も起らなかった。問題学生が出てきたとき、初めて事務が該当学生の出欠状況を調べるのだ。だから事務に負担がかかっているわけでもない。機械でカウントして何に使うのだろうか?というのがこっちの大学の状況だ。必要性が余りないのではないだろうか。多分、予算を取ったから、あるいは定員増に伴う予算措置で付いて来た予算の使い道にちょうど良い物がなかったからか。

あっちの大学では状況がちがう。私立の中小大学では、文科省の締め付けが厳しく、学生の出欠状況が記録されていないと文科省から怒られる。だから出欠記録は必須なのだ。たとえ、いい加減であってもともかく記録されていないといけないのだ。あるとき、Faculty Development (FD)と称して、他の教員の講義参観をしなさいというおふれがあり、ほかの先生の講義の参観に行くことになった。その先生は出欠を授業開始時に、学生名を呼び上げ、学生が返事するという手段で出欠をとっていた。10分はかかる。管理者はそんな無駄なことをしたくないので、講義終了時、小テストを実施することで、講義のポイントを学生に知らせるとともに出欠採取としたのだ。もっとも一人一人名前を呼ぶのは、学生の顔と名前を一致させるのに良い手段かもしれないし、授業時間が90分で学生は90分も集中できないので暇つぶしにいいのかも。また、50名くらいのクラスだからできるのであって、管理者の講義のように100名近いと無理だ。だから、この出欠管理システムの導入は、講義時間をいっぱい使えるので必須なシステムなのかもしれない。必要に迫られての導入だ。この点がこっちの大学と異なる。

あっちの大学では、学期が始まって1/3くらい経過したとき、3回以上欠席している学生のリストをよこせと要求される。学生のフォローに使うらしい。担任が学生を呼び出したりするのだ。管理者は記録しているので問題ないが。この報告を今後しなくていいようになったようだ。教務で調べることができるからな。この集計の手間が省けて楽になる教員がいるのだろう。管理者の場合はあまり関係ない。むしろ出欠兼小テストと、この出欠管理システムとの食い違いの処理が面倒だ。しかし、出欠の報告をしなくていいので、食い違いがあっても無視すればいい。学生は友人の学生証を何枚も持って記録するだろう。管理者の行っている出欠兼小テストは、講義終了時に学生がひとりひとり管理者に手渡すことになっているから、こっちのほうの記録が正しい。

2コマ連続の実習が面倒だ。正当な出席を記録できるのは、授業開始前10分から5分後までの15分間だけだからだ。もっとも講義毎にこの期間を延長できるが。実習中に、学生は現在行っている操作を中止し、カードリーダーに記録に行かねばならない。これは実習の妨げになる。かならず、記録し損ねたと訴える学生がでてくる。これを実習担当教員が修正しないといけないのだ。

そこで、この出欠管理システムを導入した部署に、2コマ連続の場合、1コマ目に出席、あるいは遅刻となった学生はデフォルトで2コマ目は出席となるように設定しろと伝えた。途中でドロンした学生は教員が把握して欠席扱いにするからと言ったのだが….教務の事務員の答えは否定的だ。「既存のシステムは変更しないで人間の方が対応しろ」というのは、役所仕事の典型だ。システムを管理する部門の職員は、考慮しますという返事だ。新宿という文系のもう一つのキャンパスの事情も考慮しないといけないという。そっちのキャンパスの事情なんかこっちにはわからない。というわけで実現できそうにないな。

あっちの大学では、キャンパスが2つに分かれていて新宿にあるキャンパスは文系の学部が存在し、こっちの方が古いのだ。でなにかというと新宿キャンパスの都合があるからと言われる。

この出欠管理システムはネットワークで事務のサーバに接続されている。もっともカードリーダーにフラッシュメモリもあり、スタンドアローンで記録し、後日ネットに接続して集計することもできる。出欠管理システムを管理する職員の話では、新宿キャンパスではこのカードリーダーを壁から取り外し、ハブを付けて、別のネットワーク機器に接続する奴がいたらしい。なんてやつだ。当然、運用しているネットのセグメントはことなるだろうし、インターネットにはこのカードリーダーの配線では接続できないのではと思うのだが。なにやら新宿は教員も学生も問題が多いらしい。その新宿のご意向が大学の方針を決めるのに大きな力を持っているのは……..

首尾一貫

あっちの大学は最寄りの鉄道の駅から離れているので、電車通学の学生は駅から大学までバスか自転車となる。自転車ではちときついところもあるし、夜間は危険だ。田舎の農道が広がったような道路で、歩道と車道が分かれていない。分かれている道路でも歩行者用は幅が狭く自転車ではちと危険だ。

というわけで、朝の通学時のバスは満員だ。大学が負担して私バス会社に増便させているのだが、それでも駅前は学生の長い列ができ、バスは満員で、次の便になってしまうことは普通のことだ。バスに乗り込むのも時間がかかり、定刻に出発できず、駅から大学までは国道16号を横切らないといけないので、信号待ちが長く、バスも遅れがちになる。朝一番の講義は遅刻学生が出てくる。

噂によると、某先生は、朝一番の授業にバスに満員で乗れず、定刻に間に合わないときがあったらしい。そのときはタクシーで来たようだ。教員の方が遅刻はまずいと思ったようだ。そして、そのタクシー代を大学に請求したらしい。もちろん、大学は支払わない。

この連休前が締め切りのレポートがあって、その先生から、連休中に採点するから送付してほしいと依頼があった。着払いでいいですか?といったら「いい」との仰せだ。

タクシー代を要求したり着払いでいいといったり、どうも考え方がわからんな。

連載中止になったら….

連載中止になったH君の近況シリーズだが、その後、あちこちからクレームがきた。なんで止めたというのだ。あんな面白いのを止めるとは残念だ、続けてくれというのだ。

さって、どうしたもんか。名前を変えて続けることにするか。このブログで面白い投稿はこれだけだからな。Macサーバの記事なんて、ほんの一握りの人しかわからないしな。

極細の熱電対の溶接方法は、役にたったらしい。といってもレスポンスしてくれたのは一人だけだが。

他に人様に役に立つ記事なんかないからな。人様にサービスするのが信条の管理者としては、喜びを与えるシリーズが中止になったのは寂しい限りなのだ。