熊と八っつぁんと三太夫とご隠居

:てーへんだ、てーへんだ、ご隠居なんとかしてください。

ご隠居:なんだよね、朝から。騒がしいやつだな。どうしたんだい?

:いやね、この間、ほら、あの角の小料理屋ご存知でしょ?あの店の内装を変えるのを請け負ったんだよね。あの女将、ちと小粋で、いいでしょ?だから、安請け合いしたのね。 んでね、内装工事しているとき、女将が口ずさんでいる小唄が、よかったんで、それ誰が作った小唄?と聞いたと思いねー。

ご隠居:そうだな、あそこの女将、ちと色っぽくて、私も通いたいんだけど、後ろの山の神の目がおそろしくてな。その点、熊さんはかみさんを持ちたくても持ってないからいいよな。それで、何かね、その女将の話かね?

:いやいや、ご隠居。今日はその女将が歌っていた小唄の歌詞のことなんですよ。とても素晴らしく気に入ったので、一所懸命覚えたのね。ご隠居もご存知のように、あっしは馬鹿だから文字を書けないからね。何回も歌ってもらって覚えたんですな。

:それでですね、ご隠居。こんな素晴らしい歌は皆が知っていたらいいと思ってね、あの川端の瓦版屋に行ったんですよ。そこで、覚えたたばかりの歌詞を、瓦版にしてもらったんですな。そんで、ただであちこち配ったんですよ。どういうわけか、あんまり人気はなかったんですけどね。でもね、瓦版にした経費のも配布にかかった経費も全て自分持ちですよ。素晴らしい、ボランティア精神だと、いってくださいな、ご隠居。

ご隠居:なに!!そんな、広く知らせたほうがいいという素晴らしい歌詞なのか?どんなのか、ちと歌ってみなさい。

:いや、あの女将みたいにうまく歌えないけど…では。

:「ひとつでたさの、よさほいのほい♫ あたしの言うこと嘘はない…♫」

:どうでしょ。正しいことを正しく言っている、皆に広めるべき歌でしょ?

ご隠居:ぷっ。何だねその歌詞は。まるで独りよがりの歌ではないか?人気がでるとは思えないがな。女将も物好きだな。

:そうですかね?あっしは立派な内容の歌と思うんですがね?

:ま、それは、いいとして、八っつぁんのやつが、そんな丸写しの瓦版を、ただでも配っちゃいけないというんですよね。よかれと思うことをやっているのに、いけないことなんでしょうかね?ということで、ご隠居に相談にきたわけです。どうです?ご隠居?

:悪意が無いし、ちゃんと歌詞を作った人の名前も書いてあるし、替え歌のような加工することなくそのまま表示しているし、歌を作った人の宣伝にこそなれ、なんらおかしなことではないと思うんですがね。だだで広めてあげているわけですよ。八っつぁんのいうことはおかしいでしょ?余計なお世話でしょ?どっか悪いことでもあるんですかね?ご隠居。

ご隠居:どれどれ、その瓦版とやら見せてみなさい。

ご隠居:うーむ。なんだねこれは?最初の2行に熊の名前と素晴らしいから広めると書いてあって、歌詞の作者の名前もあるけど、残りの98行は、歌詞丸写しではないか?しかし、何番まであるのか、やたら長い歌詞だな、熊はよく覚えたな。こんなに長いものを覚えることができるとはすばらしいことだ。

:いえね。そんなに沢山覚えられないでしょ。ホントは、最初の数行だけで、あとは瓦版屋で、歌詞を探してもらって、丸写しにしてもらったんですよ。

:で、どうです。ただで配ってどこが悪んでしょうかね?八っつぁんはいつも、ケチを付けることしかしない奴でしょ。だから言いがかりだと思うんですけどね。

:みんなにタヌキと呼ばれている三太夫のことをご隠居はご存知でしょ?いつもとぼけているからタヌキなんていわれているんですよね。その三太夫も八っつぁんと同じ意見で、丸写しばかりじゃだめだと言うんですよ。まあ、あっしも八っつぁんも寺子屋の落ちこぼれだし、三太夫はお侍とはいえ読み書きがかろうじてできるくらいだし、ここはご隠居に聞かないとと馳せ参じたというわけで….

ご隠居:うーむ。私もなんでも知っているわけではないから…

ご隠居:ああ、そうじゃな。この前、浮世絵をそっくり真似て作ったやつがおって、原作者の写楽が大岡様に訴えた事件があったな。この大岡様の裁きを探してみるぞ。

ご隠居:うむ。大岡様の裁きでは、熊の瓦版記事の場合、一部のみ写すのはかまわないようじゃな。そして瓦版記事の熊の意見が主ならいいようだな。

ご隠居:これを見ると、八っつぁんや三太夫の言うことが正しいようじゃ。紹介内容がいい・悪いが問題ではなくすべて丸写しがいけないようだ。しかしだな、この歌詞を作った人が文句を言わない限り、奉行所に呼び出されることはないようじゃ。心配することはないようだな。しかし、瓦版屋も目が届かないのかな。この大岡様の裁きは瓦版業界では結構有名なようだぞ。

ご隠居:ま、替え歌じゃないから、文句はこないじゃろ。もう配っちゃったんだから回収できないし。放置するしかないようじゃな。今後は、紹介だけにして、まるまる全部を写すことのないように気をつけるようにな。

:へ?そういうもんですか。よかれと思っても、やってはいけないことがあるんですねぇ。勉強になりやした。

「熊と八っつぁんと三太夫とご隠居」への10件のフィードバック

  1. 謎掛け

    擁護派と掛けて、筍の名産地と解きます。

    その心は

    妄想だけ(孟宗竹)が蔓延っています。

  2. アノ姐さま

    ひょっとして落語がお好きなのですか?

    喧嘩両成敗に持ち込まれたのは、相手があの mさんでは勿体無いことでしたが。
    あの mさん、蛙の面になんとやらを地で行っているのかどうか。
    見事な挑発術を持っている人ですね。
    「一週間のご無沙汰でした」の言葉でお戻りになるのをお待ちしております。

  3. mもrも、根拠を示せと要求するから根拠を示しても、それに対する応答がないという、議論のできない方々のようで、妄想が反響ばかりしている井戸の中で生きて入ればいいんでしょうね。ときどき上から石を投げて楽しむしかないのでは?そのうち、消え去るかと。

  4. はなさんありがとうございます。私が自分にペナルティを求めたのは2つの理由があります。ひとつは、気に食わない意見は排除すると彼に言わせないためです。もうひとつは、彼に対してではなく、彼の態度がいかに不愉快なものか解るように私も彼のレベルに降りて人格攻撃をするというマナー違反をしていますし、その結果コメント欄が荒れる原因になりましたし、皆さんに不愉快な思いをさせてしまいましたから、やはり責任を取らなくてはいけません。その責任を自覚しているという私の表明です。私にすれば思いどおりの展開です。彼もいままでどおりではペナルティがあることは解ったと思います。

    はい、私は落語が大好きです。東京の下町、それも浅草や上野に歩いていかれるところで生まれ、鈴本演芸場や浅草演芸場も馴染み深いところです。今でも時々寄席に行ったり、落語会に足を運んでいます。

  5. 擁護派ブログの蛸壺の中で喚いている分には勝手に喚いていてちょうだいなんですけどね。後、罵詈雑言が私に向かっている分には、擁護派から一番の嫌われ者の勲章だとしか思わないのですが、他の人にそれを向けられると黙っていられなくなってしまうのです(苦笑

  6. この熊さん…は、オチ を見つけてから作るべきでしょうけど、オチがなかなかできないのに書いてしまいました。良いオチがないかな?

  7. オチ
    ご隠居 丸写しは公開して訴えられたら、後悔しても間に合わないのじゃよ。熊も後悔(公開)しないように気をつけることが肝心じゃな。

    面白くないなあ。

  8. お二方とも、そのように洒落のめす事ができるのは才能ですね。
    私などは無理ですね。
    聞いて大笑いをするだけです。

    ところでアノ姐さま、お隣の学区ではないかと推測いたしました。
    私は桜の季節には、学校帰りに(高校ね)墨堤を歩いて白鬚神社などに。

  9. あらまあ、世間は広いようで狭いものですね。はなさんがお隣にいらっしゃったとは・・・
    私もお花見は、墨田公園か上野公園が定番でした。梅だと湯島天神とか、下谷神社でした。

  10. 擁護派の人たちに捧げる歌

    お医者さまで~も 草津の湯でも ドッコイショ~

    惚れた病は コ~リャ 治りゃせぬよ チョイナ チョイナ~

    もうこれしかありません。(笑

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