実験ノート

管理者は1年生の生理学実習担当なわけで、実習では実験ノートを記入させることを指導している。

どうせ書かないのはわかっているから、前期終了時に実験ノートをチェックするからと提出させるわけだ。それでも後期の実習では、実験ノートを持参せず、配布した実習書の隙間とか裏に計測結果を書いている。そういう学生を見つけるたびに

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で頭を、ピコっとたたき、「◯△方になっちゃうじゃないか」と言うのだ。暴力教師なのだ。昨年の実習では受けたんだけど…. 今年は一部学生に受けている。来年は「◯△方て誰?」になるでしょう。

今日、2年生の別の実習に参加することになったのだが、実験ノートを持っている学生はほんの少し。なんてこった。全く身についていない。明日の実習は抜きうち検査だな。

「実験ノート」への6件のフィードバック

  1.  工学部だったので、自虐的に「作業日報」と呼んでましたね。
     学生たちに「調査委員会ごっこ」をやらせてみると面白いかもしれない。
     わざと不備のある実験ノートから、不備を見出し、不正判定させる、というもの。
     いかがでしょうか?

  2. 今、教えている大学の学生は、横並び均一がモットーです。実験レポートは金太郎飴です。こういう状況で、誰か一人あるいは少数を突出させるようなことは、かなり難しい。
    学生はのってこないですね。質問があると、良い質問だと煽て上げるんですけど、だからといって、次々に質問が出る状況にないですね。

  3.  仮にほとんどの学生さんが医療補助者の資格取得をゴールと考えていて、独自の突出した考えは医師にとってはかえって迷惑であったとしても、いざ現場に出ると自己の業務負荷に直結するような問題に直面し、なんらかの解決策を希求する場合は多いと思いますよ(うちの子もまさに卒業をひかえ就活中)。
     同じ病院内で医師Aは「なるべく自然治癒」、医師Bは「投薬で早くベッドがあくなら、なるべく多くの患者を治療する」といった考えのはざまに医療補助者が板挟みになる、なんてよくある話です。
     そんな時に、自らの頭で考え、患者の意志をくみとり、コミュニケーションの中で医師A、医師B、患者、そして自己の業務負荷に最適な解(決して妥協ではない)を求めるスキルは必ず役に立つと思いますが。
     小生の提案は、受身の学生に「いざ自分がなんらかの判断をしなければならない場合、どんな困難とどんな達成感が得られるかを体感させてみてはどうか?」というものです。
     また多くの院生が、いざ学部生に実験を教えることになると、教えるために主体的に勉強せざるを得なくなったという事例はどこの大学院でもありますよね。
     彼らはまだ若いのだから、早く「自分が懸命に考えることで、周囲に貢献できる喜び」を経験してほしいな、と思います。

  4. コメントありがとうございます。そして、ホントに印刷業者さんなの?そうだったら、教員になって学生を指導したらいいのに。
    学生に自分で考えて行動せよとは口では言うのですが、言いっ放しです。すみません。
    最近の大学ではコミュニケーションが重要だというわけで、コミュミケーション演習とかいう授業があります。実態はパワポで自己紹介ファイルを作り紹介するとかいう内容のようです。リテラシーしか教えられないようですね。表現する・発言する中身と、それを放つ相手の立場を考えるのが重要なんですけど、そこまで達しないです。教員の側ではそんなこと教わらなくても習得してきたという誤解があることもあります。抽象的に言っても意味がないので体験させるべきですが、その教材の開発ができていないという現状ですね。
    現実には、学生は医療現場に出て学習するわけですが、医療現場は様々で、徒弟制度のようなところもまだあって、学外の病院実習に出た学生は、おったまげて、おろおろ、泣き出したりすることになるわけです。学内で対応する教育はなかなかできないですね。
    「問題解決型」授業とか名乗る授業もあるのですが、科学誌印刷業者さんのおっしゃるような体験をさせるのがいいのでしょうが、やはり、教員の側は、自分は意識せず解決してきた・できなかったら逃げてきた わけで、どうやって教えていいのかわからない、情報の垂れ流しの一方通行の講義のほうが教員にとって楽 というようなことがあって、なかなかうまくいかないですね。

  5.  どの業界でも人材育成は必要でしょう。
     デザイナに挿絵ひとつ描かせるにも、「お前は表現者なのだ。著者が有名大学教授であれ、版元がどこであれ、彼らをうならせる表現をしてみせろ」とやる気を鼓舞し、「この恐竜を恐ろしい姿に描くのか、かわいく描くのか、読者をハッとさせるのか、原稿をよく読んで自分で考えよ」となりますな。
     末松博士の国会参考人陳述によると、慶大大学病院の電子カルテ(広義の実験ノート)はナースも含めて全医療補助者が画面上で見れるし、記入する。それでも実験ノートをないがしろにするのかな。
     例えば、AA療法は体液中のBB濃度がCC範囲外となるとDD副作用を催起するからEE輸液のコントロールが重要である、てな状況でナースが記録を怠ったら医療事故になりかねないのでは?

  6. 医療現場での電子カルテでは、「記載しなかった」は業務違反になり、医療事故の原因になりますが、研究現場での実験ノートへの未記載は業務違反でないという違いがあります。したがって前者と後者の教育はかなり異なることになると思います。後者は、⚪️△方の例のように信頼性に欠けることになり、誤解を誘導する・招くことになって、出力を出すと、通常はボロクソに叩かれるだけですが、残念なことに、今回は誤解が一人の死を招くことになってしまいましたね。

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