FDでの発表

先日のFDの記事では、FDは教員の発表からなっている研修会だと書いた。専門がかぶらないから、興味がわくような研究は少ない。おもしろそうなのはあるが、専門がちがうから理解するのに難しいところがある。

その中で、「火を利用することによりデンプンを糊化することができたので、大脳へのエネルギー源であるグルコースを大量に供給することができるようになった、これがヒトとして、大脳の発達、二本足歩行をもたらした」という主旨の発表があった。正確なタイトルはわからなくなった。

しばらくポスターの前にいたのだが、発表者とは会えなかった。

 

おなじような主旨の論文を「火の人類進化論 ソシオ情報シリーズ6 シンポジウム「母性と乳児保育ー社会現象との相関を考える」の基調講演で 人類進化と母乳」 というタイトルで書いている。

火を使い消化・吸収能力を高めた人類は、腸の長さを短くさせ、さらに不用となった盲腸を退化させて、お腹をスリムにする一方で足の大腿骨を伸ばして、より機能的な体型に進化したと考えます。ー略ー ヒトはサルから自然に進化したのではなく、知恵をつかって自らを改造・進化させたと言えます。

 

うーん。困っちゃうな。こういうことを言ってくれるのは。林 俊郎 目白大学社会学部 社会情報学科 教授なんだよね。

「ヒトはサルから進化した」とか「知恵をつかって進化した」なんて、いってほしくないんだよね。獲得形質は進化しないんだよね。文系とはいえ、一応、学者なんだから。

約400万年前 – 約200万年前の猿人であるアウストラロピテクス (Australopithecus) が最初の二本足歩行であるとされている(S. K. S. Thorpe, R. L. Holder, R. H. Crompton, Origin of Human Bipedalism As an Adaptation for Locomotion on Flexible Branches, Science  316 (5829): 1328-1331, 2007.)。一方、火を使い始めた状況証拠は最も古くて200万年前で、多くは20〜50万年前である(Steven R. James Hominid Use of Fire in the Lower and Middle Pleistocene. A Review of the Evidence, Current Anthropology, Vol. 30, No. 1 (Feb., 1989), pp. 1-26)。つまり二本足歩行ができるような体型になって、それからはるかに後に火の利用を行うようになったわけなので、火と水でデンプンを糊化して消化・吸収能力を獲得したから二本足になり、大脳が発達したわけじゃないんだよね。

母乳のタンパクを含む様々な成分の濃度はヒトが低い。これに対してイヌやウサギは濃度が高い。この濃度と、生まれてから体重が2倍になるまでの時間に相関がある

これを根拠に;

「動物の知恵の程度は、成長速度に相関するとみております。成長が早い動物ほど教育期間が短く本能的な行動をとります。成長が遅くなるにしたがって学習への依存度が高くなります・誕生後の成長が遅い動物ほど。知能が高い、頭が良いと言えます。」

とどうして結論できるのか。犬は体重が2倍になるのに 8~9日 かかり乳に含まれるタンパクは7.5%である。馬は 60日 かかり乳に含まれるタンパクは2.4%である。イヌよりウマのほうが知恵があるといえる?知恵の定義によるけど、イヌのほうが利口に見えるのは管理者だけだろうか?

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