出欠データの採取

こっちの大学でもあっちの大学でも、学生証をかざすとlogが取れる機器(出欠管理システム)を導入した。こっちでは昨年度から、あっちでは今年度から。

しかし、導入の動機はかなり違う。こっちの大学では、そもそも学生の出欠などいままでとっていなかった。時々、あまりにも出席する学生が少なくて怒り狂った教員がいた。100名中、出席したのが10名なんて講義があったらしい。

東大や京大で非常勤講師をやったときは100名近い学生がいるはずなのに50名もいない。途中からのこのこ教室に入ってくる。こっちの大学ではもっと多く70%くらいだったろうか。東大や京大には遊ぶ場所がいっぱいあるが、こっちの大学は陸の孤島の感があって学生が遊びに行くところがないからな。今は電車も通ったし、ちと違うけど。

こっちの大学でチュートリアル制度を導入したら、講義数が半減し、学生もそれではあんまりにも少ないと思ったのか出席率が100%近くになった。チュートリアルでは系統的な授業が少なく、学生は自分で系統的な勉強ができないので、あせったのだろう。出席率を上げるには良い手段だ。

なぜ、こっちの大学でカードリーダー式の出欠管理システムを導入したのかわからない。ほとんどがオムニバス形式の統合カリキュラムで、一応、紙ベースの出欠を採取するのだが、だれも集計しない。本来はコース・コーディネータが集計すべきなんだろうが、教員はだれもやらない。管理者も生理学のコース・コーディネータであった期間が結構長かったが調べる気も起らなかった。問題学生が出てきたとき、初めて事務が該当学生の出欠状況を調べるのだ。だから事務に負担がかかっているわけでもない。機械でカウントして何に使うのだろうか?というのがこっちの大学の状況だ。必要性が余りないのではないだろうか。多分、予算を取ったから、あるいは定員増に伴う予算措置で付いて来た予算の使い道にちょうど良い物がなかったからか。

あっちの大学では状況がちがう。私立の中小大学では、文科省の締め付けが厳しく、学生の出欠状況が記録されていないと文科省から怒られる。だから出欠記録は必須なのだ。たとえ、いい加減であってもともかく記録されていないといけないのだ。あるとき、Faculty Development (FD)と称して、他の教員の講義参観をしなさいというおふれがあり、ほかの先生の講義の参観に行くことになった。その先生は出欠を授業開始時に、学生名を呼び上げ、学生が返事するという手段で出欠をとっていた。10分はかかる。管理者はそんな無駄なことをしたくないので、講義終了時、小テストを実施することで、講義のポイントを学生に知らせるとともに出欠採取としたのだ。もっとも一人一人名前を呼ぶのは、学生の顔と名前を一致させるのに良い手段かもしれないし、授業時間が90分で学生は90分も集中できないので暇つぶしにいいのかも。また、50名くらいのクラスだからできるのであって、管理者の講義のように100名近いと無理だ。だから、この出欠管理システムの導入は、講義時間をいっぱい使えるので必須なシステムなのかもしれない。必要に迫られての導入だ。この点がこっちの大学と異なる。

あっちの大学では、学期が始まって1/3くらい経過したとき、3回以上欠席している学生のリストをよこせと要求される。学生のフォローに使うらしい。担任が学生を呼び出したりするのだ。管理者は記録しているので問題ないが。この報告を今後しなくていいようになったようだ。教務で調べることができるからな。この集計の手間が省けて楽になる教員がいるのだろう。管理者の場合はあまり関係ない。むしろ出欠兼小テストと、この出欠管理システムとの食い違いの処理が面倒だ。しかし、出欠の報告をしなくていいので、食い違いがあっても無視すればいい。学生は友人の学生証を何枚も持って記録するだろう。管理者の行っている出欠兼小テストは、講義終了時に学生がひとりひとり管理者に手渡すことになっているから、こっちのほうの記録が正しい。

2コマ連続の実習が面倒だ。正当な出席を記録できるのは、授業開始前10分から5分後までの15分間だけだからだ。もっとも講義毎にこの期間を延長できるが。実習中に、学生は現在行っている操作を中止し、カードリーダーに記録に行かねばならない。これは実習の妨げになる。かならず、記録し損ねたと訴える学生がでてくる。これを実習担当教員が修正しないといけないのだ。

そこで、この出欠管理システムを導入した部署に、2コマ連続の場合、1コマ目に出席、あるいは遅刻となった学生はデフォルトで2コマ目は出席となるように設定しろと伝えた。途中でドロンした学生は教員が把握して欠席扱いにするからと言ったのだが….教務の事務員の答えは否定的だ。「既存のシステムは変更しないで人間の方が対応しろ」というのは、役所仕事の典型だ。システムを管理する部門の職員は、考慮しますという返事だ。新宿という文系のもう一つのキャンパスの事情も考慮しないといけないという。そっちのキャンパスの事情なんかこっちにはわからない。というわけで実現できそうにないな。

あっちの大学では、キャンパスが2つに分かれていて新宿にあるキャンパスは文系の学部が存在し、こっちの方が古いのだ。でなにかというと新宿キャンパスの都合があるからと言われる。

この出欠管理システムはネットワークで事務のサーバに接続されている。もっともカードリーダーにフラッシュメモリもあり、スタンドアローンで記録し、後日ネットに接続して集計することもできる。出欠管理システムを管理する職員の話では、新宿キャンパスではこのカードリーダーを壁から取り外し、ハブを付けて、別のネットワーク機器に接続する奴がいたらしい。なんてやつだ。当然、運用しているネットのセグメントはことなるだろうし、インターネットにはこのカードリーダーの配線では接続できないのではと思うのだが。なにやら新宿は教員も学生も問題が多いらしい。その新宿のご意向が大学の方針を決めるのに大きな力を持っているのは……..

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