Firefox

今日のセミナーを聞いて思い出した。Firefox という映画だ。ブラウザソフトの名前ではない。NYに住んでいた頃、見た映画だ。

ベトナム戦争のPTSDに悩み田舎に住んでいるClint Eastwood 扮する元空軍パイロットにCIA(だったと思う)からの使者がきて、ロシアの戦闘機を盗むプロジェクトが提示される。何故、盗む必要があるかというと、米国にはないハイテク戦闘機だからだ。どこがハイテクかというと、考えていることがそのまま表現できる戦闘機なのだ。

戦闘機は dogfight(catfight は女同士の殴り合いで、犬の場合は戦闘機同士の戦いなのだ)の際、持っている武器(機関銃かサイドワインダーのような赤外線追尾ミサイルかレーダー誘導ミサイルか)を選択し、ターゲットをその武器に合ったHUD(Head Up Display)に補足 し、発射コマンド・スイッチを押さないといけない。この訓練には多大の労力が必要だ。しかしこのハイテク戦闘機は、これらの操作をパイロットがターゲットを認識したら、勝手にパイロットが考えている武器の選択とそれに合ったターゲット捕捉方法を選択し発射できるのだ。つまりパイロットの思考を理解し、その要求通り自動的に実施することができる戦闘機なのだ。つまり全身麻痺の患者でも操縦できるという戦闘機なのだ。しかし、ロシアが開発した戦闘機なので、思考はロシア語でなければならない。というわけでネイティブなロシア語ができるClint Eastwood扮する元パイロットが選ばれ、ロシアに潜入し、ハイテク戦闘機を盗み、追跡してきたもう一機の同じ型のハイテク戦闘機と一戦を交えつつ無事米国に帰国するというストーリーなのだ。スピード感があってそれなりに楽しめる映画だったのだ。ロシア中枢部の型にはまった対応とか、アメリカ人の偏見に満ちた映画ではあるが。

おわかりのように、何故この映画を思い出したかというと、今日のセミナーは、脳の視覚情報処理過程を検出し、何を見ているのかが推定できるという内容だったからなのだ。まだ第一次視覚野(V1) の話で、第一次視覚野のニューロンが何をやっているかは他の領域に比べよくわかっているので、今回の話は、どんな絵というか輪郭とかを見ているかをfMRIの結果から推定し、その見ている図を当てることができるというもので、セミナー発表者の言う「何を考えているかがわかる」というのには程遠い。そこまでできたら凄いけど。

数年前、Yahooでエイプリル・フールのニュースで頭に付けた電極(実はヘッドフォン)で何を考えているかだったか何を思い出しているがわかるという論文が紹介されていたことも思い出してしまったのだ。海馬の発生する脳波で判定できるという論文なのだ。海馬が記憶に関与することが一般常識になった頃の話だ。一瞬、某三幸先生が真剣にその記事を読んでいたことも思い出してしまったのだ。

それはさておき、500ヶの測定点から元画像がどの絵であったのかを当ててみようというのが紹介された論文だ。写真解像度をモノクロ25×25ピクセルに落し、元のサイズにもどしてみよう。

080520church-1.jpg 080520church-2.jpg 080520church-3.jpg 080520church-4.jpg

 

上の段、左から協会の原図(117×117 pixel)、これのエッジを強調し(中央)、モノクロに変換し(右端)、25×25 pixel に落した(下段)。(Macだと1列にならんでいるかもね)

fMRI のボクセル500ヶの様々な絵に対する反応するかをあらかじめ調べ、新たな原図を見せたとき、各ボクセルの反応を数値化して下段の絵を比較し175枚ある原図のどれだったかを当てるというものだ。

被験者によっては最高90%の確率で当てることができたという報告だ。

論文にはなかったかもしれないがV1にはレチノトピーがある。論文ではボクセルの位置情報は考慮されていなかったようだ。もしこの点も考慮したら原図を最後のドットの絵のような活動の増加したボクセルのパターンが得られ、ここで再現した最後のドットの絵と対応できて、限られた枚数の原図のどれに近いかが判定できるかも。このドットの絵には位置情報もふくまれているからだ。しかし、この図を見て、だれも教会だとは思わない。もっと目がこまかくないとね。

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