条件付き承認

ある委員会のメンバーとして申請された書類の審査を行っている。3,4年前の審査は内容がひどくて大変だったが、最近はずっと形になってきた。かなりごりごり言って形を作ってきたからだ。

この審査は申請書の軽微な不備については、訂正され訂正内容を委員長を含む複数の委員が承認すればいいということになっている。条件付き承認というわけだ。年5回の審査委員会だから、不備で却下すると2,3ヶ月の間調査研究が実施できないことになり、実施するのが大学院修士の学生の場合、年限内に修了できなくなってしまうことになりうる。

管理者の研究分野では信じられない*1のだが、別の分野では、修士論文の研究計画は1年次修了時頃、研究科が計画を承認する必要があるらしい。その後に、この委員会の承認を受けなければならない。ということで2年次の春にこの委員会に申請して承認されないと2年次の夏休みに調査研究ができないことになる。承認されないと夏休みに実施できなので、事実上、留年だ。そんなのは、前からわかっているから、その研究分野には、間に合わなくなるから、間に合うように制度を整えよと忠告してきたのだ。昨年度は、これが現実になり、大騒ぎ。学長裁量で(最終的な承認は学長だからな)でなんとかとりなしたわけだ。

今年度は、さすがにそんなことはないと思いきや、また別のトラブルだ。申請書類に軽度の不備があるから直しなさい。書き直したら、承認しますとと突っ返したわけだ。よくあることで、通常は、指摘部分のみを書き直してて承認される。1ヶ月もかからない。ところが、指摘部分以外にも、研究課題等あちこち変更されてきた。

管理者は、そんなことがありえないとおもっていたから、指摘部分のみチェックし、改訂されていたのでOKとしたのだが(うかつだからね)、担当事務が、「タイトルや指導教員が違っているんですよね」と言ってきた。

ぎょぎょですよね。ありえないことだ。どうやら指導教員が代わり、そのため申請書を新しい指導教員が添削して書き換えたらしい。指導教員が事故で変わるとかいうのはありうることだが、今回はそうではないらしい。ちゃんと教授として職務を続けているらしい。何故指導教員が変わったのかわからない。もし指摘以外の研究タイトルなんかが変更されたのなら、次の審査委員会に再申請する必要がある。あたりまえだよね。この前の指導教員は無責任だよな。こいうおったまげることが、しばしばあるんだよね。それでも、なぁなぁで動いているんだよね。

*1 研究室で大きなテーマが決まっているから、新入りの大学院学生はその中の一部を実施するということになる。研究へ加わる学生が増減するだけなので、年度の初めの申請に新入生の名前が加わっていれば問題ない。申請はすべての研究方法・材料をカバーするように書くからね。申請書に書いた方法を使わなくてもかまわないわけで、使うかもと思ったら申請書に書くわけだ。それが普通だと思っていたのだが、分野が違うと違うようだ。指導教員の研究テーマと異なるテーマで大学院学生は論文を書くことになるらしい。だからかどうかわからないけど、修士1年の終わりまで修論のテーマが決まってないようだ。そんなので指導できるのかよと思うのだが。だから大学の紀要て必要なんだろうな。

浸透圧実習

浸透圧の実習なんて中学や高校でやったに違いないのだが、学生は全く理解していない。大学生が定量的な測定を行う実習として適当な課題のように思うが、実は、きちんと定量的に実施するためにはそれなりの装置等が必要だ。時間もかかる。というわけで2年前に安易な装置を作ったわけだ。予算もないから自作だな。作った当初は改良すべき点を挙げていたが、例によって、管理者はズボラなのでそのままだ。問題ないからな。耐久性に欠けるが、今年は3回目で、結果として壊れなかった。

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卵殻膜を一端に取り付けたガラス管内に水、0.5 M、1.0 M 蔗糖液を入れて、水を張った容器(ステンレスのパッド)内に入れ、液面の高さの変化量を5分毎に測定させてグラフを作らせるわけだ。正確ではないが、ま、それなりに定量的なデータを取り扱うわけで、中学や高校では「水が移動したでしょ」で終わったと思うので、すこしは大学らしいかもね。モル濃度の概念を理解してもらうために、0.5 M、1.0 M 蔗糖液を作らせたいのだが悲惨なことになりそうだし、時間もないからこっちで準備する。大名実習というわけだ(こういうことをやるから、小保方のようなモル計算のできない学生ができちゃうのだ)。濃度が異なっても色は透明なので、学生は区別できなくなり、混乱しちゃう。だから食用の赤と緑の色素で色を付けることにしている。色素が混ざるので当然モル濃度は蔗糖の重さを測定して作った正確な濃度の液とは少し異るわけだが、そんなことにクレームを付ける学生がいたら、レポートは何が書いてあっても満点にしちゃうよ。

期待とか理解とかできるようになってほしいなというのは;

(1)1つのグラフに3本も線があると学生は理解できない。自分で複数の線のあるグラフを作成したら、1つのグラフに複数の線があっても理解できるようになるだろう。

(2)エクセルでは散布図からグラフを作らせることになるができるだろうか?一定時間毎の測定だから散布図でなくてもできるけどね。

(3)液面の変化速度が濃度によって異った訳だがなぜか説明できるだろうか?

(4)何故、水が移動したかは理解しているだろう。しかしいつまでも続くのだろうか?実習は30分まで、もしくはオーバーフローするまでだ。

(4)を設問として、「ガラス管の長さに制限がなく、時間にも制限がないとどうなるか?」と問うたら、昨日の実習で本日朝までに届いたレポート21通では;

ステンレスのパッドの水がなくなるまで水が移動する:6通

濃度が等しくなるまで水が移動する:8通

何言っているか理解し難い答え:4通

液面が高くなりその水圧と浸透圧が等しくなった時点で液面の変化が止まる:3通

んが!!!

実習の前に、浸透となぜ「圧」が付くのかを、半透膜を水が移動しようとする力と水面が高くなって水面が下がろうとする力=圧が同じになってバランスがとれるまで水面が高くなる、だから半透膜を横切る水の力を圧;浸透圧というのだと説明したんだけどね。理解している学生は2割にも満たないのかよ。

この程度なんだから、こんな高校のに毛が生えた程度の実習でいいんだろな。

(3)の速度の違いの説明は、課題として問うてはないけど(教科書に書いてないし、説明できないだろうから)、考察になんらかの言及があったら満点だな。

オームの法則だよね、圧=流れ(流量)x抵抗 だ。抵抗は半透膜で、面積が大きければ小さくなる。今回の場合は膜の面積は一定ではないけど、だいたい同じとすれば圧(浸透圧と静水圧の差)が高い方、モル濃度の高い方が流れ(流量)が大きくなるわけだ。時間がたつと浸透圧=静水圧だから圧がゼロ、流量がゼロだ。液面の高さが変わらないというわけだ。