FD・SDという研修

大学の教員の研修をFD(Faculty Development)、職員あるいは教員も含めた研修をSD(Staff Development)といって、どこの大学でも実施している。いつからか文科省がやれということで、有名国立大学では、名ばかりで実質的には実施していないところもあるようだが、中小の私立大学では実施しないと文科省ににらまれ、大学の存続に繋がるのだ。

あっちの大学でも昨日の土曜日にあったわけだ。平日は授業があるので土日開催となるわけだ。当然、出欠を記録し、学部学科別出席率が計算され偉いさんの委員会等でなんとか長が嫌な目に会いたくないので、各学部で出席が強要される。

今回のテーマは、キャリア教育と学生相談室の学生への対応、中途退学防止方法の3つだ。後ろ2つは学内の教員等のレクチャーで、だから当然本学の学生に沿った内容でそこそこだった。最初のキャリア教育については学外から講師を招いての、一方的なレクチャーでなんと2時間もある。講師の用意したパワポのスライドは70枚を超える。そのスライドのサンプルは

20151122BadPresentation-1

とか

20151122BadPresentation-2

だ。最初のスライドはわかるよね。何が悪いか。あまりにも文字数が多いのだ。読めないのだ。配布資料でも、パワポに備わっている資料作成プログラムで印刷したので、余白が大きくなってしまって文字が小さく読めない。どうやったらスライドをパワポのデフォルトではなく余白を小さくし図を大きくした資料を作成できるかは、以前書いた。どうやら最初の図は文科省でのキャリア教育についての答申をスライドにしたらしい。「らしい」というのは前後の話から判断しただけで、その前後の話もよくわからないから、答申をまとめたのか、答申を批判したのかもわからなかった。不明瞭な発言なので資料を読もうとするが、その読もうとしたスライドは口頭説明では飛ばして説明してくれない。

2時間で70枚は無理でしょ。案の定、何枚もすっ飛ばした。90分の講義でも25枚がいいとこ最大だ。学会発表では10分では最大10枚だけど、学会だからね。専門としている人の集会とは訳が違う。

2枚目のはグラフがあり横にある文字列も読める大きさだ。しかし、グラフの横軸・縦軸がなんであるか、スライドも資料も文字が小さくて読めないし、口頭で説明は一切ない。どうやら、国によって労働観・勤労感が異なるというものらしく。プロットは国のようなのだが、どのプロットが日本なのか全くわからない。この図は資料からスキャンしたもので、確かグラフの右上がブラジル、左下が日本と口頭説明があったようで、書き込みがある。しかし、このグラフで何を説明/主張したいのかわからない。横の文字列についてはグラフとの対応についての説明がないから、このスライドを示している目的が理解できない。「ビルゲイツは大金持ちなのにまだ仕事をしている」はいいでしょ。事実だから。だからなんだというのだ?それを話せよな。

2時間もついやして、なにやら喋っていたのだが、最後の結論もさっぱり理解できないというか、結論があったんだろうか?管理者だけの感想ではなく、帰りに複数の同僚と話した結論も同じだ。

この人は九州大学のなんとか教育研究センター長・教授なのね。こういう奴にこそ、FDとしてプレゼンテーションのリテラシーを教えるべきだ。説明にでてききた引用も1937年の大学と社会のつながりとかいう外国論文だぜ。戦前だぜ。どうやら教育学という分野ではこんなものらしい。

教育学を教えているからといって教育方法を習得しているとは思わないけど、それにしてもひどかった。学長のお友達かもしれないが、そんなことで講師を選んで欲しくないね。2時間座っているのが苦痛で、隣にたまたま座っていた助教?のお嬢さんに、今回のFD・SDのアンケートの自由記載欄にボロクソに書いてやったのを見せてクスクスやっていたよ。それにしても、皆さん我慢強いですね〜。管理者はそれでもなんとか理解すべくスライド、口頭説明、配布資料から何が言いたいことなのかを考えたのだが、できなかった。

つらい午後だったな。

[ 追記 ]2016年1月14日

この公演についての評価が出た。

20160114evaluation

このFDに参加した161名の評価は、とても満足と満足を合わせると60%になる。信じられない。管理者は当然「とても不満」を選び、自由記載欄にはボロクソにコメントしたのだが…

まともに聞いていないんだな。きっと。内容を理解できたんだろうか。アンケートにはいい加減に答えたんだろ、きっと。学生アンケートに学生がすべての項目に3の「どちらとも」なんていうところにマークしたら怒り狂うくせに。どうやや聴衆(教員)の程度もこんなもんなんだろ。どっちもどっちなんだ。