カフェインの連れション効果

学生実習でカフェインの薬理効果を調べた。カフェインには利尿作用がある。つまりカフェインを摂取した学生は実習中トイレに行くだろうという予想である。二重盲目試験なので、誰がデカフェのコーヒーか、カフェインを加えたコーヒーを摂取したのかは、実習終了後まで誰もわからない。実習開始前に、あらかじめトイレに行くのをカウントすると宣言すると、学生が意識するので、何も言わなかった。実習中は飲食禁止だがトイレには自由に行ってよいとだけ伝えた。カフェイン摂取後1時間半経過してから、実習中、トイレに行った者は、記録せよと言ったわけだ。利尿効果がわかるかと思ったわけだ。

全員のデータをまとめてみたら、カフェインの有無と関係なくトイレに行った学生はほとんど同じ数だった。目論みは失敗だったのだ。
原因は、学生の連れションにある。つまり、3回の測定(尿量とは関係のない)は30分の間隔があり、その間、学生はヒマなわけだ。一人がカフェインのせいでトイレに行きたくなったとき、カフェインを摂取しなかった学生と一緒にトイレにいってしまったのだ。
我慢しきれなくなったら行っていいと言えばよかった。連れション禁止とすればよかった。実習室内に拘束すればよかった。

グループで行動するとき、たいてい誰かがトイレに行きたいと思うと、トイレに行く必要がない者も行くからな。

なんでもみんなと一緒という普段の学生の行動を考えていなかった管理者がアホだったのだ。