win ショートカットの相対ディレクトリ

MacOSXのエイリアスではこんなことがないのだが、Win だとショートカットを作成し、これを別メディアにコピーすると、指し示すリンク先が絶対リンクになっているので使えない。ショートカットを単純にコピーしてはいけないのだ。

ショートカットを別メディアにコピーすることがあるのかというかもしれないが、あるのだ。例えば、一連のファイルが沢山あって、これを一つのフォルダに納める。沢山あるうちの要のファイル(実行ファイルなど)のショートカットを作成し、フォルダと同じレベル(diectory)におけば、フォルダとショートカットファイルの2つだけになって取り扱いが楽になる。

ショートカットの元ファイルの存在場所を相対directory表示にしないといけないわけだ。

シートカットを右クリックしてプロパティを表示する
ショートカットのタブで
リンク先を

%windir%¥system32¥rundll32.exe url.dll,FileProtocolHandler “abc¥def.exe”

とする。” “の中身が相対directoryなのだ。この例でいうと、ショートカットファイルと同じdirectory に abc というフォルダがあり、そのフォルダの中に def.exe というファイルがあって、これがショートカットのリンク先なわけだ。フォルダの前に¥はつけない。

作業ホルダー は空白にしておく。

これでいい。

しかしMacでほとんどの仕事をしているので、win で作業したとき気が付かなかった。Macのほうが楽だな。

ウイルス

大学の学生が共用で使うデスクトップPCがウイルスに感染した。USBメモリーで広まるやつだ。学生の誰かがどっかのサイトにアクセスした/変なメールを受信して添付を開いたというところが原因で、自宅のPCが感染し、USBメモリー経由で大学のPCが感染し広まったのだろう。

何台感染したのかわからないが、ともかく複数ある。

このウイルスに感染すると、開いたWordファイルが、ショートカットになっちゃって、オリジナルが消えちゃう。

パソコンがおかしいということで別のパソコンで作業するが、感染したUSBメモリーで作業するので複数台が感染する。感染したPCを他の学生が使うということでどんどん拡散したようだ。

学生は、毎週の生理学のレポートを書くのだが、保存するとなくなっちゃう訳だ。かわいそうに。

Win32/Dorkbot.Iというウイルスである。

贅沢な奴

こっちの大学のことなんだけど、贅沢な我が侭な奴がいて、なんとMacBookAirを2台所有している。

常に使うMacBookAirをオフィスでも出張で出るときも持って使う。これは、いいでしょ。管理者も全く同じではないがやっているからね。勤務先が2カ所あるから1カ所はMacBookAir とAppleのモニターで仕事をしている。他方はデスクトップでこっちに情報は集約している。

でも、この贅沢ものは1台のMacBookAirをバックアップにして、いつも使うMacBookAirにトラブルがあったらすぐさまバックアップ機で仕事をしたいというのだ。2台もMacBookAirを持っているという贅沢のなせる技だ。

Carbon Copy Cloner  で、バックアップ機をターゲットモードで起動させておきクローンを作成することにした。

クローンを作成し、クローン機から立ち上がることを確認した。毎日定時にバックアップするように設定してあげた。

なんかもったいない。

ちなみにあげたCarbonCopyClonerは現在有料アプリになっている。管理者が手に入れたのは無料のときのやつで、作成者とバグレポートをちょっとやったことがある。15ドルも寄付しちゃったことがあるのだ。

現在は有料版で3.5.1というバージョンである。

日本語のサイトではFree版が3.4.3 で配布している。3.4.4 は多分無料版だろう。しかし検索するとロシア語のサイトが表示されてダウンロードできない。

現在手元にあるのは3.4.4-b2(489)だ。これをインストールしてあげたのだ。問題ないだろう。

グラフの選択

実験の計測値をグラフに示すのは当たり前だが、「どのようなグラフを選択したらいいか?折れ線グラフと棒グラフどっちがいいのかわからない」と聞かれた。

そういえば、グラフの選択方法なんて習った覚えがないな。でも、選択できる。系統的に習ったことがあるのかな?

小学校学習指導要領解説  算数  統計関係部分抜粋 というのがあった。

表と棒グラフは小学校3年
折れ線グラフは小学校4年
帯グラフや円グラフ(%にする)のは小学校5年
平均や度数分布は小学校6年

散布図や相関になると
高等学校学習指導要領解説  数学  統計関係部分抜粋 数学 Ⅰ らしい。

そうか、小学校で習ったのか。だから何時習ったなどという記憶がないんだ。

しかし、このような質問をしてくる学生がいるとは、トホホですな。

Googleの検索で…

学生実習のレポートを評価しているわけだが、レポートに書かれた誤りを学生に教える必要がある。

レポートに赤字で記入し返却するわけだが、学生のレポートは画一的で、だれかのレポートをコピーすることが多い。そこで、そのような丸ごとコピーのレポートは、はっきりと学生の名前を挙げて、クラスの前で指摘する。100通のレポートの共通点を抽出するのは難しい。そんなに管理者の頭には記憶容量がないからな。検出ソフトがあるからできるのだ。

それでも、多くの学生は丸ごとコピーでなないにしろ、誰かが書いた/提案した文書、あるいは誰かが見つけた教科書の記述を使ってレポートする。したがって大同小異のレポートになる。共通の誤りがいっぱいあるわけだ。次の実習時に共通の誤りについて解説するわけだが、そんなことをやっていたら、実習ができなくなる。しかし指摘しないわけにはいかない。

そこで、プリントで配布するか、レポートの評価ポイントはここだとWebページで公開するわけだ。

昨年度は、カエルの座骨神経の電気刺激実験の解説をアップした。それを、こっちの大学の学生がダウンロードして問題になった。あっちの学生は理解できないかもしれないが、こっちの学生は理解できそうな文書だった。

昨年度のページはすべてサーバから削除してある。しかし、恐ろしやGoogleはキャッシュに溜め込んであるので、キャッシュの部分が検索でヒットする。そのページは既にないので、クリックするとNot Found になるから問題ないはずと思っていたわけだ。しかし、googleのページでは検索キーワードを含む部分が表示される。一部だが、要になる単語が含まれている場合がでてくる。つまりうまい具合にキーワードが合うと、そのキーワードのある文章が一部ではあるが表示されてしまい、その検索キーワードの近くに要となる用語があると大きななヒントになる。

何回か、同じキーワードで検索すると、Googleの方ではNot Found となるページは、キャッシュにあるにしろ、表示しなくなるようだ。別のキーワードで検索すると相変わらずキャッシュされた文章の一部は表示される。つまりGoogle には依然として、ページ全部がキャッシュに残っているわけだ。

まいったな。昨年度はパスワードを設けていないページだったからな。今年度はパスワードが必要になるようにしたからGoogleに見つからないと思うのだが。

歩行者専用信号

歩行者専用信号が、歩行者いない、ボタンを押さないのに赤になる。しょうがないから信号の手前で車を止めるが、当然ながら誰も道路を横断しない。いつも通る道なので、なんでだ?とかなり前から思っていた。

20130523TrafficSignal

この図のBが問題の歩行者専用信号でAは普通の信号だ。AとBの間はわずか20 mと短い。図の右上から車で来たとき、歩行者専用であるBの信号が赤なのに歩行者が誰もいないということに気がついたわけだ。

わかったのは信号BはAと連動しているということだ。Aが赤になると2、3秒後にBも赤になる。したがって時間間隔で決まっているAの信号の変化とBの歩行者信号とは同期しているのだ。

左下から来る時はAの信号が青のときBも青なのでなんの違和感もなく通りすぎることができる。右上からくるとAが赤だとBは歩行者がいなくても赤になるのだ。だから変だなと思うことになる。わずか20 mしか離れていないので左下から来たときAが青でBが赤というのはスムーズな車の流れにならない。だからAとBを同期させるというのは理にかなっている。

だったら信号Bを押しボタン信号(歩行者専用)と言うなよな。

右下の細い道から信号Bに入る車に対する信号はない。仮に信号Bも普通の信号にして信号Aと同期させると、右下から来る車に対する信号も設置しないといけないことになるのだろう。四つ角で一方の道路だけ信号があって他方がないという交差点はみたことがないからな。あるのかな?

道が細いことからわかるように、右下からB交差点へ入る車は少ない。そのための信号を設けるより、一方の道路だけの信号を設けたほうが経費は少なくて済む。歩行者専用信号は1本の道路だけを制御する信号にすることができる。だから歩行者専用信号とするのがいいという、埼玉県警の苦肉の策なんだろうか。

歩行者はわずか20 mしかはなれていないので信号Aを利用すればいいじゃんとも思うのだが。そうすれば信号Bを作らなくてすむのでもっと経費が少なくて済む。

実は図の右に一部見えているエリアは旧岩槻市役所、岩槻区役所(合併してさいたま市になったので)なのだ。現在の岩槻区役所は岩槻駅前の雑居ビルに移転している。業務が少なくなったので狭いところに移転したのだろう。つまり信号Bは役所の圧力で設けられた信号なんだろう。役所にくる住民に必要だからといって作らせたのではないだろうか。図の左上から役所に来る歩行者にとっては信号Aだけでいいが、図の右上から県道2号を渡ってくる歩行者にとって20 m x 2 の長さが負担になることになるからな。つまり県道2号はそこそこ交通量があるので、役所専用の歩行者用の信号がないとまずいということになったのではないだろうか。

歩行者が信号Bのボタンを押すと信号Aも変化するのだろうな、きっと。そうでないとおかしなことになる。信号Bは歩行者からみると歩行者専用で信号Aは歩行者とは関係ないということになるが、実は歩行者がいると変化する信号なのだ。きっと。

ルータのセッション数

YAMAHA NVR500 のNAT のセッション数は4.096

YAMAHA RTX1200のNATのセッション数は20,000

Googleマップで地図を描画するだけでも、60程度のセッションを使うらしい。1台のPC、携帯が100セッション消費するとするとNVR500 では40台がいいとこだ。4年前、新棟ができたとき、ここに入る研究グループに研究室毎にNVR500を導入してサブネットを組むことを薦めた。1研究室で大学院学生を含めた住人が30名を越える研究室はほとんどないからだ。管理者の管理するサーバから配布する private ip address の不足を補うこともあった。

しかし、当時(といっても、高々4年前なのだが)は携帯がWi-Fi で接続することは予想していなかった。そういう使い方もあるとは知っていたが、目の前にあるPCでネットが使えるのに、あえてあんな小さな使いにくい機器でネットを使うだろうかという発想しかなかった。

現在の学生は携帯/スマホを日常的に使うのが当たり前だ。しかもPCを立ち上げていてだ。というわけでNVR500の配下では20名程度が限度だ。20名を越える研究室ではアップアップしているかもしれない。いまさらRTX1200 に変更しろといったら怒られるだろうな。

半透膜

浸透圧の実習で半透膜について学生と話していたら、学生は「半透膜は金魚すくいの網と同じでしょ。水は通すが金魚は通さない。」だって。うーん、正しいけど、管理者のイメージとしては、大きな分子を通さないが低分子を通すということで、大きな分子といっても目にみえるわけではなく、タンパク分子とか蔗糖分子のようなもの、低分子とは水とかイオンを描いていたのだが…..

大きな分子には金魚を例えないといけないのか。なんか小学生並みだな。せめて中学で習った事は頭の中に入れておいてほしい。

「金魚は混んでいると苦しいので、半透膜で仕切られた金魚のいないほうから水だけが移動して、金魚のいるほうの水量(空間)が大きくなり、金魚が楽になるのだ」と説明するのかなぁ。まちがいだけど、イメージはわかり易いことになるな。

 

血液循環はいつどのように習うのだろうか

文科省の中学理科の指導要領 http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/youryou/chu/ri.htm によると

「血液の循環についての観察,実験を行い,動物の体が必要な物質を取り入れ運搬している仕組みを観察,実験の結果と関連付けてとらえること。また,不要となった物質を排出する仕組みがあることについて理解すること。」

とある。

FdData中間期末」といページでは,実際に全国の中学校で出題された試験問題をワープロデータ(ワード・一太郎文書)にした過去問集を販売しているところで、サンプルであるhttp://www.fdtext.com/dat/fdata_r2s5_hh.pdf を見ると循環系の大まかな部分は学習済みなはずだ。

有名市立中学の入試問題にも心臓が4つの部屋に分かれていることを題材にしている。ということは小学校の進学塾では教えているのだ。

にもかかわらずだ。

で酸素化された血液(動脈血)は肺静脈から左心房へ流れる。左心房から2枚の弁膜からなる二尖弁(僧帽弁)を通り左心室に血液は流れ込む。左心室が収縮すると血液は大動脈弁を通り大動脈へ流れる。その後分岐した動脈を流れ、末梢組織の毛細血管で血漿と間質液(組織液)との間で物質交換が行われる。物質交換が行われるのは毛細血管のところだけである。
物質交換を行ったり、酸素を放出し二酸化炭素を吸収した血液(静脈血)は大静脈に集まり、右心房に流れる。右心房から三尖弁を通り右心室に血液は流れ込む。右心室が収縮すると右心室の血液は肺動脈弁を通り肺動脈から肺へ流れる。」

という文章から循環系の絵を描いてみろといった。赤字は循環系のパーツだからこのパーツがどこにあるかも記入しなさい。という課題をだしたらほとんど全員が絵を描くことができなかった。弁の名前は中学では習わないが他の赤字の単語は中学で習っているのだ。心臓が4室から成ることすら知らないようだ。

門脈も中学で教えているようだ。なんてこった。これまで何をやっていたんだろうか。こういうことから講義を始めないといけないというのが現実なのだ。情報量が多いと学生に文句を言われても、その情報の大部分は中学や高校ですでに学んでいることなのに。高校の生物の繰り返しで終わってしまう。ここは大学なんだろうか。

修理

講義にはパワーポイントを使っている。一昔はPersuationというソフトがあって、こっちを使ったこともあったが、マイクロソフトに駆逐されちゃった。板書はほとんどやらない。生理学は絵が多いからだ。いい加減な絵を板書しながら説明するより、スライドで表示し、同じ絵を配布資料としたほうがいいと思っているわけだ。板書の方が学生の理解も多分良いのだろうが、なんせ教える必要のある情報量が生理学は多いからな。絵をいちいち黒板に書いていたら時間が足りない。心臓が4室からなるということも知らない学生さんなので。

昨年のいつからか、いつも使う教室のパソコン(ノート)とプロジェクタを接続するRGBケーブルの接続口が死んで、別のケーブルが用意されていることになった。接続口はプロジェクタとか電動スクリーン、オーディオ機器を集中的にコントロールする教卓にある。「このコネクタは使えません」という張り紙がある。

そのうち修理されるのだろうと思っていたが、一向に修理されない。講義にはその教卓に別途用意されたRGBケーブルを直接パソコン(ノート)に接続すればいいので問題ない。スライドを進める・戻すはレーザポインタがリモコンにもなっているので、この教卓から離れて講義を進めても問題ない。パソコンはRGBケーブルが届く場所におき、説明は離れたところからレーザーポインタ・リモコンを使って行うというスタイルなのだ。

リモコンの受信機はUSBポートに差し込む。差しこんだままでも構わないような受信機ならいいのだが、管理者の持っているのは小さいのだがノートに差し込んだままにするような形状でない。講義が終わると、受信機を抜いてズボンのポケットに入れるわけだ。

容易に想像されると思うが、ポケットに入れたままだと、忘れちゃって洗濯されちゃうことがある。受信機は密閉されていて洗濯されても、ドライでなく水洗だったら大丈夫だ。

先日、さって講義だなと準備していたら受信機がないのに気がついた。きっと、ズボンのポケットに入ったままで、そのズボンは洗濯されて自宅のタンスの中だ。リモコンが使えない。RGBケーブルが長ければノートを手元に置けるのでいいのだが、短い。しかも用意されているのは直接ノートに接続するタイプ(オス)なのだ。延長ケーブルはたいてい両端がオスだ。だから延長ケーブルがあっても、オス―メス変換アダプタがないと使えない。本来の教卓のコネクタはメスなので延長ケーブルが使える。

講義はなんとかやったのだが、もう本来のコネクタが使えなくなって久しいので、ラウンジの秘書に「あの教室の教卓のコネクタはいつになったら修理されるの?」と聞いた。「修理の予定はない」だと。    うううう。なんてこった。

しょうがない。ケーブルから先は生きているのでコネクタの部分を修理すればいいはずと思い、管理者が修理することにした。教卓の中を空け、状況を調べて、必要な部品を考えた。

ねじとかスペーサーが必要なので、近くの(といっても車が必要だ)ホームセンターへ行って購入した。60円。(もっとも、こういう部品は多くそろえておくと後々役に立つので、何種類かの長さのねじを含めて1000円の支出だったが)。

部品の購入の時間も含めて2時間。修理完了。

しかし、「修理の予定はない」とはどういうことだ。多分業者にやらせると2,3万円とられるんだろうな。機能的には問題がない状況なので、修理しないと決めたんだろうな。なんか、あっちの大学ではたとえ2,3万円でも会計(庶務)に権限がなく、いちいちお伺いをたてないといけないようだ。修理なんだからお伺いを立てなくてもいいと思うのだが。事務は機能的に問題ないのなら修理しないと判断したんだろうな。問題があるんだよ!!

ラウンジの秘書は修理されたので大喜びだったけど…..他の教員はわからんだろうな。こんなこと、わからなくていいけどね。

こういう修理は、こっちの大学にいたころもやってたなーと思う今日この頃、皆さん、いかがお過ごしですか?(きっこ風)。

お子様ランチ

学生食堂にいったら、本日のメニューにお子様ランチがあった。結構、人気で良くさばけている。当然プリンがついて、旗が立っている。

大学生として、馬鹿にされたとは思わないようだ。実習中の騒がしさは幼稚園並みだからな。当然か。

写真を撮りに行ったら、売り切れでもうなかった。

出欠データの採取

こっちの大学でもあっちの大学でも、学生証をかざすとlogが取れる機器(出欠管理システム)を導入した。こっちでは昨年度から、あっちでは今年度から。

しかし、導入の動機はかなり違う。こっちの大学では、そもそも学生の出欠などいままでとっていなかった。時々、あまりにも出席する学生が少なくて怒り狂った教員がいた。100名中、出席したのが10名なんて講義があったらしい。

東大や京大で非常勤講師をやったときは100名近い学生がいるはずなのに50名もいない。途中からのこのこ教室に入ってくる。こっちの大学ではもっと多く70%くらいだったろうか。東大や京大には遊ぶ場所がいっぱいあるが、こっちの大学は陸の孤島の感があって学生が遊びに行くところがないからな。今は電車も通ったし、ちと違うけど。

こっちの大学でチュートリアル制度を導入したら、講義数が半減し、学生もそれではあんまりにも少ないと思ったのか出席率が100%近くになった。チュートリアルでは系統的な授業が少なく、学生は自分で系統的な勉強ができないので、あせったのだろう。出席率を上げるには良い手段だ。

なぜ、こっちの大学でカードリーダー式の出欠管理システムを導入したのかわからない。ほとんどがオムニバス形式の統合カリキュラムで、一応、紙ベースの出欠を採取するのだが、だれも集計しない。本来はコース・コーディネータが集計すべきなんだろうが、教員はだれもやらない。管理者も生理学のコース・コーディネータであった期間が結構長かったが調べる気も起らなかった。問題学生が出てきたとき、初めて事務が該当学生の出欠状況を調べるのだ。だから事務に負担がかかっているわけでもない。機械でカウントして何に使うのだろうか?というのがこっちの大学の状況だ。必要性が余りないのではないだろうか。多分、予算を取ったから、あるいは定員増に伴う予算措置で付いて来た予算の使い道にちょうど良い物がなかったからか。

あっちの大学では状況がちがう。私立の中小大学では、文科省の締め付けが厳しく、学生の出欠状況が記録されていないと文科省から怒られる。だから出欠記録は必須なのだ。たとえ、いい加減であってもともかく記録されていないといけないのだ。あるとき、Faculty Development (FD)と称して、他の教員の講義参観をしなさいというおふれがあり、ほかの先生の講義の参観に行くことになった。その先生は出欠を授業開始時に、学生名を呼び上げ、学生が返事するという手段で出欠をとっていた。10分はかかる。管理者はそんな無駄なことをしたくないので、講義終了時、小テストを実施することで、講義のポイントを学生に知らせるとともに出欠採取としたのだ。もっとも一人一人名前を呼ぶのは、学生の顔と名前を一致させるのに良い手段かもしれないし、授業時間が90分で学生は90分も集中できないので暇つぶしにいいのかも。また、50名くらいのクラスだからできるのであって、管理者の講義のように100名近いと無理だ。だから、この出欠管理システムの導入は、講義時間をいっぱい使えるので必須なシステムなのかもしれない。必要に迫られての導入だ。この点がこっちの大学と異なる。

あっちの大学では、学期が始まって1/3くらい経過したとき、3回以上欠席している学生のリストをよこせと要求される。学生のフォローに使うらしい。担任が学生を呼び出したりするのだ。管理者は記録しているので問題ないが。この報告を今後しなくていいようになったようだ。教務で調べることができるからな。この集計の手間が省けて楽になる教員がいるのだろう。管理者の場合はあまり関係ない。むしろ出欠兼小テストと、この出欠管理システムとの食い違いの処理が面倒だ。しかし、出欠の報告をしなくていいので、食い違いがあっても無視すればいい。学生は友人の学生証を何枚も持って記録するだろう。管理者の行っている出欠兼小テストは、講義終了時に学生がひとりひとり管理者に手渡すことになっているから、こっちのほうの記録が正しい。

2コマ連続の実習が面倒だ。正当な出席を記録できるのは、授業開始前10分から5分後までの15分間だけだからだ。もっとも講義毎にこの期間を延長できるが。実習中に、学生は現在行っている操作を中止し、カードリーダーに記録に行かねばならない。これは実習の妨げになる。かならず、記録し損ねたと訴える学生がでてくる。これを実習担当教員が修正しないといけないのだ。

そこで、この出欠管理システムを導入した部署に、2コマ連続の場合、1コマ目に出席、あるいは遅刻となった学生はデフォルトで2コマ目は出席となるように設定しろと伝えた。途中でドロンした学生は教員が把握して欠席扱いにするからと言ったのだが….教務の事務員の答えは否定的だ。「既存のシステムは変更しないで人間の方が対応しろ」というのは、役所仕事の典型だ。システムを管理する部門の職員は、考慮しますという返事だ。新宿という文系のもう一つのキャンパスの事情も考慮しないといけないという。そっちのキャンパスの事情なんかこっちにはわからない。というわけで実現できそうにないな。

あっちの大学では、キャンパスが2つに分かれていて新宿にあるキャンパスは文系の学部が存在し、こっちの方が古いのだ。でなにかというと新宿キャンパスの都合があるからと言われる。

この出欠管理システムはネットワークで事務のサーバに接続されている。もっともカードリーダーにフラッシュメモリもあり、スタンドアローンで記録し、後日ネットに接続して集計することもできる。出欠管理システムを管理する職員の話では、新宿キャンパスではこのカードリーダーを壁から取り外し、ハブを付けて、別のネットワーク機器に接続する奴がいたらしい。なんてやつだ。当然、運用しているネットのセグメントはことなるだろうし、インターネットにはこのカードリーダーの配線では接続できないのではと思うのだが。なにやら新宿は教員も学生も問題が多いらしい。その新宿のご意向が大学の方針を決めるのに大きな力を持っているのは……..