コメディカルの物理学

あっちの大学は2期制で、春学期、秋学期という。春学期が終わりに近づき、春学期最後の講義をおこなった。講義の終わりにアンケートをとってみた。生理学の講義で、「物理で説明するのはやめてくれ」という質問項目に対してyes or no を聞いてみた。103名からの回答で未回答が3名。したがって100名の有効回答で、物理がいやだが38名、物理を使っての解説でもいいが8名、どっちでもないが残り60名となった。生理学ではどうしても物理の原理を使った説明がでてくる。しかし、学生は物理が嫌いだ。

1年生には、入試の科目に物理を採択しなかった者は一般教養に相当する物理学の単位を取得しなさい、と大学は命じている。それだけ高校レベルの物理学が、専門科目を理解するのに必要であると大学は考えているからだ。ところがこのような物理学を教えるのは非常勤講師だ。常勤で雇用することはない。私立大学では一般的だ。だから物理学の教員は週1日しかこない。試験は教科書のこのページからこのページまでの設問25問から10問出すといったらしい。学生はパニックだ。なんせ解けないもんね。聞きに行く先が….ない。で管理者のところにきたわけだ。こっちだって、物理学の教科書は40年来開いた事がない。あ、そんなことないか。以前、入試問題の物理学を担当したことがあるな。

いずれにしろ、教科書の問題を解くためには、その教科書をこっちが再度勉強しないと解けない。もう、ほとんど頭にのこっていない。F=mg とかフックの法則なんて、使わないから憶えている訳がない。でも、学生は、管理者のようなじじいよりもっと理解していない。というわけで学生が提示した問題2問を解いた。そこで時間切れ。物理を教えるのではない。解き方を教えるのだ。そして学生は理解するのではなく、ただ暗記するだけだ。これでいいのだろうか。自分で考えろといっても考えられないからな。まだ23問残っている訳だが、解剖の某教授が5問解いたという話なので18問ある。また来ると学生は言い残して出て行った。つらいな。